研究課題/領域番号 |
09304008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
深谷 賢治 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30165261)
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研究分担者 |
加藤 毅 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20273427)
清水 勇二 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (80187468)
中島 啓 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00201666)
河野 明 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00093237)
丸山 正樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50025459)
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キーワード | シンプレクティック幾何学 / ミラー対称性 / フレアーホモロジー / モジュライ空間 / テータ関数 / ホモトピー代数 / アーベル多様体 / 非可換トーラス |
研究概要 |
1.多重データ関数とアーベル多様体のミラー対称性。 コンセビッチのホモロジー的ミラー対称性は、5年ほど前から予想されていたが、証明されている場合はほとんどなかった。PolishchukとZaslowは楕円局面の場合に、コンセビッチの元々の観察に基づき、ホモロジー的ミラー対称性を証明した。楕円局面の場合はその上のベクトル束およびラグランジュ部分多様体がすべて知られ、またそこでへの概正則写像も用意にわかるので、証明は計算の組み合わせ的部分が中心であった。 深谷は高次元の複素トーラスおよびアーベル多様体に結果を一般化した。複素トーラスのラグランジュ部分多様体の決定はなされておらず、また、ベクトル束の分類もされていないので、結果は部分的である。しかし、複素トーラスの概正則円盤でアファインなラグランジュ部分多様体を境界値にもつものを決定し、フレアーホモロジーの積構造を計算することができた。積構造は、データ関数の一般化であり、今まで知られていなかったも含まれる。これらの間のA@S1∞@E1関係式が関数等式にんる。BVマスター方程式との関係、フレアーホモロジーの壁越えなど、ラグランジュ交又のフレアーホモロジーで基本的な現象の実例を多く構成する手段を与える。 2.非可換ミラー対称性 ミラー対称性において、ケーラー形式の変形は複素構造の変形に対応する。シンプレクティック形式の変形は、ケーラー形式の変形より自由度がたかい。この差のミラーが、複素トーラスの場合に、ラグランジュ葉層構造(一般にはエルゴート的な葉を持つ)を使って理解できることを示した。さらに、非可換トーラス上のデータ関数の類似非可換データ関数を構成した。 3.ホモトピー代数・フレアーホモロジーの障害・ラグランジュ部分多様体のモジュライ空間の量子変形。 コンセビッチ・オー・太田・小野の共同研究による、一般のラグランジュ部分多様体に対する、フレアーホモロジーの研究は、論文が完成にちかずいているが、本年度は昨年までに見いだした傷害類のホモトピー代数的な意味を明確化することに成功した。すなわち、次数フィルターを保たない写像がある場合のA@S1∞@E1代数には一般に、ホモロジーの存在の障害がある。この障害を消すチェインのホモトピー同値類全体が、ラグランジュ部分多様体内の変形空間になる。これがミラー対称性で複素ベクトル束のモジュライ空間の倉西モデルにたいおうすると思われる。1から、これらの構成の豊富な例が得られる。
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