研究課題/領域番号 |
09304012
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小澤 徹 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70204196)
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研究分担者 |
津田谷 公利 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60250411)
加藤 圭一 東京理科大学, 理学部, 講師 (50224499)
堤 誉志雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (10180027)
林 仲夫 東京理科大学, 理学部, 助教授 (30173016)
上見 練太郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10000845)
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キーワード | 非線型Schrodinger方程式 / 非線型Klein-Gordon方程式 / 非線型波動方程式 / 非線型散乱理論 |
研究概要 |
非線型のSchrodinger方程式やKlein-Gordon方程式に代表される古典場の非線型偏微分方程式は場の量子論の正当性を根底で支える理論的依り所であるばかりでなく非線型偏微分方程式の理論体系から見ても重要な数学的対象である。1960年代からの膨大な研究論文によって古典場の数理解析はその局所理論については整った理論体系が構築されている。一方その大域理論は方程式の持つ様々な個性が反映される為既存の一般論では適確に扱えないという困難が常につきまとう。本研究では場の大域的特性を特に函数解析的立場から取扱い様々な個性ある非線型方程式の数学的構造を解明しようというのである。研究代表者は非線型Schrodingen方程式と非線型波動方程式に対し「小さいデータによる散乱理論」が斉次ソボレフ空間で成立する為の十分条件を空間次元、非線型性の次数、ソボレフ空間の階数の三者の間の関係式という形で与えた。これにより尺度不変性の原理が上記二つの方程式に対して成立することが示された。上の関係式はソボレフ空間の階数が丁度空間次元の半分より真に小さい時にのみ意味を持つ等しい時に意味を失う。後者はソボレフの埋蔵定理が丁度破綻する臨界現象に対応する為函数空間論的にも興味深い場合である。楕円型方程式の解の滑らかさの研究に於いてもこの場合は重要であるがこの臨界現象を記述する不等式としてトゥルディンガー型のものが重要とれている。そこで代表者はこの不等式を精密化し非線型Schrodinger方程式等に応用することに成功した。即ち幕型の非線型性が臨界現象に於いて指数型に置き換えられる事情を記述する方法を得た。
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