研究分担者 |
堤 誉志雄 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (10180027)
林 仲夫 東京理科大学, 理学部, 助教授 (30173016)
津田谷 公利 北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60250411)
井上 純治 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (40000856)
上見 錬太郎 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (10000845)
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研究概要 |
本年度の顕著な研究業績は次の三つのテーマに於いて挙がった. (A)伝播速度の異なる双曲型方程式系に於ける非線型構造の研究. (B)非線型発展方程式のH^s理論. (C)非線型散乱の長距離理論. 以下その内容を各テーマ毎に述べる. (A):過去40年間の膨大な文献により非線型波動方程式のうち単独方程式については非線型構造と解の滑らかさ及び長時間的挙動の関係がかなり解明されている.その理論を素直に方程式に当てはめる系を成す非線型性の悪い部分同士が相互作用を起こして不満足な結論しか得られない.本研究では伝播速度の異なる方程式系に着目し単独方程式では得られない良い性質を抽出することを試みた.上見,久保,太田は解の長時間的挙動について研究し散乱問題に於てKovalyovの結果を改良した.代表者は堤,津田谷と解の滑らかさについて研究し方程式に対してBourgain理論を初めて導入することに成功した. (B):分数幕sを持つSobolev空間H^sに於て非線型波動方程式と非線型Schrodinger方程式を研究した.非線型項の次数p,空間次元n,およびsとの間に成立する臨海等式の成立する場合に低エネルギー散乱を完成させた,Sobolevの埋め込みがシャープに成立する0≦s<n/2の場合とTrudinger型不等式の成立するs=n/2の場合を研究した. (C):Hartree型方程式の長距離散乱に於いて必要とされる時間減衰と滑らかさについて最良の条件を見出した.
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