研究課題/領域番号 |
09304012
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小澤 徹 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70204196)
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研究分担者 |
堤 誉志雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)
津田谷 公利 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60250411)
上見 練太郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10000845)
中村 誠 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (70312634)
林 仲夫 東京理科大学, 理学部, 教授 (30173016)
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キーワード | 非線型シュレディンガー方程式 / 非線型クラインゴルドン方程式 / 非線型波動方程式 / 非線型散乱 |
研究概要 |
伸長構造を持つ非線型発展方程式ではその時空のスケールで不変な解のクラスは特別な意味を持つ.昨年度は非線型シュレディンガー方程式に対してこの研究を深めたが本年度は無質量の非線型波動方程式に対して研究を進め以下の事を明らかにした:(1)空間の次元n,非線型性を記述する次数p,解の滑らかさを表すソボレフ指数s,の三者間の臨界等式が成立する状況では小さな解ならば時間大域解として一意的に存在し漸近的に自由となる.(2)上記臨界等式はソボレフの埋蔵定理の破綻する臨界指数s=n/2で意味を失い任意の次数pは劣臨界に分類されてしまうが指数函数的に増大する非線型性を考えると小さな時間大域解が構成出来る. 本年度は新たに伝播速度の異なる双曲方程式系の研究を取上げた.幾つか特別な方程式系に対して解の滑らかさに関する新しい結果を得た.特にクライン・ゴルドン・ザハロフ系では伝播速度の違いを利用してエネルギークラスの解を得る事に成功した.方程式系では伝播速度の違いは解の漸近挙動の研究には盛んに用いられていたが解の滑らかさの研究に用いられたのは初めてであろう.フーリエ制限ノルム法(ブルガンの方法)に於いて伝播速度の違いが解の滑らかさを回復させる現象を明らかにし解の構成法にその現象を用いる手続きを開発した.
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