研究分担者 |
河東 泰之 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (90214684)
小木曽 啓示 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (40224133)
川又 雄二郎 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90126037)
河野 俊丈 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (80144111)
薩摩 順吉 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70093242)
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研究概要 |
本研究課題の具体的な目標は以下の5点である。(1)数理物理学的や工学に応用を目指した非線形可積分可能系の構成(2)パンルヴェ方程式の,差分化などへの拡張(3)非線形完全積分可能系の変換群の代表的な構造の解明(4)ソリトン方程式と線形微分方程式のホロノミックな変形理論の研究(5)組み合わせ論の母関数を解とする非線形完全積分可能系の構成。 本年度は,研究テーマの整理と準備に当て,上記5課題を積極的に追求するため,(a)非線形完全積分可能系の理論的研究(b-1)非線形完全積分可能系に関する数理実験(b-2)組み合わせ論に関する数理実験(c)数え上げ組み合わせ論と表現論の理論的研究,4つの研究グループの構成を目指しているところである。総括的研究の推進は研究分担者が行い,研究分担者との日常的な会話と実験により研究を行った。 その結果,(a)パルンヴェ方程式の初期値空間の幾何学的構造が詳しくわかってきたこと,(b-1)多変数非線形完全積分可能系の新しいクラスが提出されたこと,(b-2)パンルヴェ方程式の代数解の深い構造が明らかになったこと,(c)ソリトン方程式であるKP方程式の解とパンルヴェ方程式の解の関係が発見されたこと,などの成果が得られた。これらの成果は現在論文としてまとめられつつあるが,本研究課題申請時には予想していなかった研究の広がりが見られたことはうれしい誤算であった。これまでの研究の概要とあわせて,研究代表者の得た結果を英文でまとめたものが,裏面の研究発表欄の初めのものであり,近々公表される。
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