研究分担者 |
山本 昌宏 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50182647)
柳田 英二 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (80174548)
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
谷口 雅治 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 講師 (30260623)
三村 昌泰 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50068128)
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研究概要 |
本研究課題に関連して,以下の成果が得られた. (1) 爆発解のダイナミクス: 非線形熱方程式の中には,爆発時刻以降も何らかの弱い意味で解としてt=∽まで存続するものがある.俣野は,こうした爆発解がどのような挙動をするかを,力学系の理論の観点から調べた. (2) 揺動項を含む界面運動の研究: ある種の非線形拡散方程式の拡散係数を0に収束させた特異極限下で現れる界面の運動については近年盛んに研究が行なわれている.舟木は,方程式にランダムな揺動が加わったときの界面の挙動を確率論的手法で解明した. (3) 熱方程式の解の爆発時刻の評価: 柳田は,ある種の非線形熱方程式の解が爆発するための十分条件および爆発時刻の評価について,既存の結果を大幅に拡張する結果を得た. (4) 3種競争系に現れる界面の挙動: 三村は,3つの種が争う3種競合系と呼ばれる反応拡散方程式(ただし空間次元は2)において,あるパラメータを無限大にした特異極限で現れる界面の振る舞いを理論的に解明した. (5) 順序保存力学系と対称性: 順序保存力学系の理論は1980年代に飛躍的に進歩した.最近になって群が作用する順序保存力学系の理論が注目されている.俣野は,既存の理論を大幅に一般化し,それを用いて新たな応用分野を開拓することができた.
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