研究課題/領域番号 |
09304023
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
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研究分担者 |
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
松村 昭孝 大阪大学, 理学研究科, 教授 (60115938)
木村 芳文 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (70169944)
中木 達幸 広島大学, 理学部, 助教授 (50172284)
山田 道夫 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (90166736)
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キーワード | Navier-Stokes方程式 / 水面波 / 領域分割法 / 渦構造 / スペクトル法 / Euler方程式 / 乱流 / 平行計算 |
研究概要 |
岡本は、Navier-Stokes方程式の定常解で境界の全体で前流量がゼロだが必ずしも境界の成分だけではゼロにならないような境界条件のもとで解が存在するかどうかについて、具体例を計算し、あらたな知見を得た。また、京都大学数理解析研究所のSPP 1600というミニスーパーコンピューター(主記憶3GB,HP PA7200 CPUが16個並列作動)を使って渦層の数値実験を行なった。 中木は渦糸系という非圧縮非粘性流体の力学系を研究し、これまで知られていなかったヘテロクリニック軌道を数値計算によって見い出した。木村は同じく渦糸系を曲がった曲面の上で考察し、その力学的性質と曲面の曲率との間に深い関係が存在することを発見した。松村は疑似粘性のある1次元圧縮性オイラー方程式を考察し、いわゆる希薄波の漸近的な安定性を示した。河原田は3次元水面波を、底の形状、水の浸透性なども考慮し、極めて実際的な状況のもとで数値実験した。浜辺に打ち寄せる波がコンピューター内で再現されたわけで、工学的な応用が期待できる。 今井は乱流研究などで使われる「スペクトル法」を研究し、多倍長計算の数値実験を行なった。池田栄雄は反応拡散系の進行波の安定性を解析的に研究し、ホップ分岐の存在と分岐解の安定性についてこれまで数値的に予想されていたことを証明することに成功した。池田勉は別の反応拡散系の領域分割法を使って並列計算を実行し、これまで職人芸的に理解されていた高速性のからくりを理論的に解明した。藤田は領域分割法のうち重複法の数学的基礎を研究した。これによって使われるパラメーターの最良値を理論的に予測することが可能となった。これは今後の並列計算に重要な指針を与えるものである。
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