研究分担者 |
中木 達幸 広島大学, 教育学部, 助教授 (50172284)
東海林 まゆみ 日本大学, 理工学部, 講師 (10216161)
今井 仁司 徳島大学, 工学部, 教授 (80203298)
池田 榮雄 富山大学, 理学部, 助教授 (60115128)
大木谷 耕司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (70211787)
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研究概要 |
流体力学や反応拡散現象に関し、水面波の分岐問題(岡本,東海林),渦層の巻き上げ問題(岡本),反応拡散系の内部遷移層の研究(池田・池田)等を行った.岡本は水面波の分岐構造について大域的な様相を数値計算で調べ,種々の新しい解を発見した.その結果は近々World Scientific社からモノグラフとして出版される予定である.また,岡本の指導によって京都大学大学院生坂上貴之(現名古屋大学助手)が,渦層の巻き上げ現象を数値的に解析し,これまで知られていなかった新しい現象を発見した.池田勉と池田榮雄は,3種競争拡散系における定常解と進行波解の存在と安定性及びそれらの大域的構造を研究した.競争する3種の生物モデルに対して,「侵入領域の拡大と消滅」の観点から進行波解の存在とその安定性を調べた.さらに,この結果を利用して定常解の存在と安定性,及びそれらと進行波解との大域的構造を明らかにした.大木谷と山田は乱流のシェルモデルにおいて数値的に計算されたリアブノフ数のスペクトルのスケーリングの性質を研究し,リアブノフスペクトルの非粘性極限における漸近公式を導出した.中木は渦領域の挙動に関して,Contour dynamics法により数値実験を行った.渦領域の大きさがある程度大きくなると渦領域の形状が急速に変形されて回転を始めることを数値実験により示した.木村は2次元双曲面上の渦運動を定式化し,渦点のハミルトン力学系を導出し,その保存量の持つ代数的性質を考察した.西田は熱対流の問題を数値的に考察し,自明な定常解から分岐した解の分岐曲線を大域的に追跡する解析方法について研究した.パラメーターの値に対応した解の存在を計算機によって保証する判定法を提出した.
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