非線形統計モデルにおける統計理論とその応用の研究

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09304024
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 白旗 慎吾 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (10037294)
• 研究分担者: 越智 義道 大分大学, 工学部, 教授 (60185618) ; 正法地 孝雄 広島大学, 総合科学部, 教授 (00033910) ; 藤越 康祝 広島大学, 理学部, 教授 (40033849) ; 安芸 重雄 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (90132696) ; 後藤 昌司 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00273615)
• キーワード: 非線形回帰分析 / スプライン / 平滑化 / 部分直線回帰 / 逆回帰 / 情報量現準 / 統計グラフィックス / データ変換

研究概要

本研究の目的は(1)非線形統計モデルおよびその解析手法の開発、それら手法の数学的性質の解明と応用、(2)分担者相互の研究すりあわせおよび研究組織外の研究者を交えての研究発表のための研究集会の開催にあった。(1)については、分担者の数が多くかつその研究は多岐にわたるのでその一部のみを記す。代表者を中心にした研究では、非線形モデルの中で最も重要である非線形回帰分析の分野で特に成果を上げ、スプライン回帰分析において関数の乱雑度にペナルティを課すときの平滑化パラメータの決定法の性能評価、説明変数の途中で回帰関数が直線的に変化する2相直線回帰分析分析における尤度比検定法とその棄却点の導出、3相直線回帰分析における推定量の評価などで実用的な結果を得た。またその他の非線形問題の中では分担者水田を中心にした、Principal pointsの性質の理論的・実証的考察や非線形手法の天気図分類への応用、分担者後藤を中心にした変換に基づくデータ解析、分担者小西による平滑化パラメータの情報量基準による選択等多くの分野で成果をあげた。これらは一部を除きまだ論文投稿中もしくは投稿準備中である。(2)については、分担者正法地、藤越を責任者として平成9年10月に広島県呉市で、分担者越智を責任者として平成10年2月に大分市で研究集会を持った。呉シンポジウムでは5件の研究発表があり、テーマはSlice逆回帰問題、ニュウ-ラルネットワークによる非線形回帰、星座グラフ等であった。大分シンポジウムでは13件の発表がありデータの平滑化、平滑化パラメータの選択、数え上げ問題に現れる非線形性、多重比較法の実際、外れ値のモデル当てはめへ与える影響等が主な内容であった。

研究成果

• [文献書誌] Sakamoto,S. and Shirahata,S.: "Simple calculation of likelihood based cross-ralidation score in muximum penaliyed likelihood estimation of regression functions" J.Jpn.Soc.Compu.Statist.10,1(印刷中). (1997)
• [文献書誌] 近旗, 坂本亘, 白旗慎吾: "2相直線回帰分析における尤度比検定" 応用統計学. 26,3(印刷中). (1997)
• [文献書誌] Kim,J.C. and Shirahata,S.: "Least square method in three phase linear regression problem" Proceedings of KJCS-97. 56-61 (1997)
• [文献書誌] Balakrishran,N., Mohanty,S. and Aki,S.: "Stant-up demonstration tests under Markor dependent model with corrective actions" Annals of Institute of Statistical Mathematics. 49,1. 155-169 (1997)
• [文献書誌] Shimizu,R. and Fujikoshi,Y.: "Sharp error bounds for asymptotic expansions of the didribution tunctuns for scale muxturo" Annals of Institute of Statistical Mathematics. 49,2. 285-297 (1997)
• [文献書誌] 稲葉由之, 岩崎学: "統計表における秘匿の補完法" 日本統計学会誌. 27,3. 263-280 (1997)