研究課題/領域番号 |
09304026
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
中井 直正 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (80192665)
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研究分担者 |
奥村 幸子 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20224842)
砂田 和良 国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (90270454)
浮田 信治 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20184989)
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キーワード | 電波天文学 / 銀河 / 分子ガス / 電波望遠鏡 / 電波分光計 / 星形成 |
研究概要 |
昨年度までに周波数帯域幅512MHz、1024チャンネル、2ビットサンプリング、25ビーム対応の自己相関型デジタル分光計の開発・製作をほぼ終了し、本年度はそれを45m電波望遠鏡に搭載して25マルチビーム受信機に接続し、性能試験を行うとともに、銀河の分子ガスの2次元サーベイを開始した。 1.45m鏡、受信機、および分光計を完全に組み合わせた25マルチビーム観測システムとして実際に天体に向けて性能試験をした。各ビームとも115GHzでビーム半値幅15秒角、開口能率40%、主ビーム能率47%、冬期晴天時のシステム雑音温度役300Kとほぼそろった性能が確認された。また周波数帯域幅、周波数分解能、分光計雑音とも初期の性能どおりであった。受信機側に一部不具合のビームが見出されたが、部品の一部を交換して観測が可能になるようにした。 2.観測計画を立案した。観測対象として、距離が25Mpc以内にある渦巻銀河で、早期型から晩期型まで、また棒状構造の有無など、サンプルが可能な限り均一になるようにし、また銀河固有の性質を調べるため、できる限り他の銀河と相互作用していない孤立銀河を優先して、63銀河を選んだ。 3.本年度はそのうち約20銀河を選んで、当該25マルチビーム観測システムにより、各銀河全面の分子ガスの観測を開始した。分子ガスのトレーサーとしては最も強度の強い一酸化炭素CO(115GHz)を選んだ。現在観測とデータ処理が進行中である。 4.来年度は銀河の数を増やして観測するとともに、全データ処理を行い、銀河における分子ガスの構造や大局的星形成のメカニズムを系統的に初めて明らかにする。
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