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2000 年度 実績報告書

デジタル電波分光計の開発とそれを用いた銀河の分子ガスの大規模2次元サーベイ

研究課題

研究課題/領域番号 09304026
研究機関国立天文台

研究代表者

中井 直正  国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (80192665)

研究分担者 奥村 幸子  国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20224842)
砂田 和良  国立天文台, 電波天文学研究系, 助手 (90270454)
浮田 信治  国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (20184989)
キーワード電波天文学 / 銀河 / 分子ガス / 電波望遠鏡 / 電波分光計 / 星形成
研究概要

本研究で開発した自己相関型デジタル分光計(512MHz帯域、1024チャネル、2ビットサンプル)を45m電波望遠鏡のマルチビーム受信機に接続して、近傍銀河の大規模2次元サーベイを行った。銀河の特徴的な構造には渦状腕と棒構造があるが、可視光で見た渦状腕には典型的な2本腕のものから4,5本の多渦状腕を持つもの、さらには多数の切れ切れの渦状腕がきつく巻いたもの(flocculent galaxies)まで多様であるが、星形成の母体となる分子ガスの分布との対応はわかっていないのが現状である。それを統計的に調べるため昨年度は特に観測例が少ないflocculent銀河を中心に観測したが、その積み残した銀河を本年度の最初に行った。
その後、主目的である棒状銀河と非棒状銀河の銀河全体の一酸化炭素COのマッピングサーベイ観測を行った。観測した銀河は距離約10Mpc以内にある近傍銀河で傾き角の少ないものを選択した。得られた観測データは昨年までのものと一緒に統計的に処理し、銀河の大局的な構造と合わせて以下のような普遍的な描像が得られた。棒状構造の長半径をRbとして、1.銀河円盤における分子ガスの面密度の半径分布と銀河回転速度には良い相関があり、渦状腕構造が存在する半径のところ(棒状銀河ならばR>Rbの領域)では回転速度が一定であるとともに銀河の外に行くほど指数関数的に面密度が減少する。これは銀河の分子ガス密度の半径分布がガスの粘性によって決まっていることを初めて示したものである。2.棒状銀河のR<Rbの領域では、ガス密度は銀河中心部とR=Rbのところでピークを持つ。これは我々の銀河系と同じガス分布であり、これは銀河系が棒渦巻銀河であることを強く示唆している。これらの成果は公開されるとともに、観測データは銀河の分子ガスのデータベースとして広く世界中に公開される予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Takano,Shuro: "Observations of Ammonia in External Galaxies II.Maffei 2"Publications of Astronomical Society of Japan. 52. L67-L71 (2000)

  • [文献書誌] Kuno,Nario: "Distribution and Kinematics of Molecular Gas in Barred Spiral Galaxies.I.NGC 3504"Publications of Astronomical Society of Japan. 52. 775-783 (2000)

  • [文献書誌] Hagiwara,Yoshiaki: "Probing circumnuclear molecular gas in NGC 5793 with OH absorption"Astronomy and Astrophysics. 360. 49-56 (2000)

  • [文献書誌] Sawada-Satoh,Satoko: "The Nuclear Regions of the Seyfert 2 Galaxy NGC 3079"Publications of Astronomical Society of Japan. 52. 421-428 (2000)

  • [文献書誌] Deguchi,Shuji: "SiO Maser Survey of the Galactic Disk IRAS Sources.II.|1|<=3 deg and |b|<=3 deg, the Galactic Center Area"Astrophysical Journal Supplement Series. 128. 571-595 (2000)

  • [文献書誌] Hasegawa,Hitoshi: "Millimeter Continuum Observations of Parent Comets of Meteor Storms"Astronomical Journal. 119. 417-418 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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