研究分担者 |
藤井 優 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30302079)
高橋 俊行 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50281960)
田村 裕和 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10192642)
前田 和茂 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20125652)
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研究概要 |
821792 本研究の目的は中性K中間子の高分解能運動量測定を実現することで、ハイペロン生成反応を調べ、ハイパー核の構造を通じて原子核中のs=-1ハイペロンの役割、ラムダ・核子相互作用を明らかにすることにある。本年度は,初年度のK0中間子スベクトロメータに関する検討に基づき、直径1mの円形磁極を持つ双極磁石をベースとしたスペクトロメータの建設が開始された。特に、昨年来検討を進めてきた光子ビームによる中性K中間子検出を第一目標に実験準備が進められている。特に、具体的に中性K中間子スベクトロメータを東北大学原子核理学研究センターに設置するため、関連する実験室に於ける配置、データ収集システムに関する検討が進められ、順次準備が進められている。 その中でも最も重要な役割を果たす,物質量を最小に押さえつつ高位置分解能を実現するカソード読み出しチェンバーは昨年度完成したが、その性能テストが既存の読み出し回路を用いて進められた。さらに、本チェンバーに最適化されたカソード読み出し回路の設計に基づき、読み出し回路システムの政策が進んでいる。本年度の研究経費の多くがこの読み出し回路に関連するものである。一方、トリガー検出器として、磁場中に設置するホドスコープのブロトタイブも完成し、その宇宙線によるテストが進行している。最終的な性能確認を行った上で、実際の製作を行う予定である。 昨年度来、光子による中性K中間子生成過程についての理論的な解析を進め,現在手には入りうる電磁相互作用によるK中間子生成素過程についての模型では,荷電K中間子に対してはよく再現するものの中性K中間子についてはよその角度分布が模型に大きく依存することが明らかとなった。中性K中間子測定は光子によるストレンジネス生成過程を明らかにするするうえで大きな役割を果たすことが明らかとなり、具体的な上記実験計画が進行した。
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