研究課題/領域番号 |
09304039
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
後藤 輝孝 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60134053)
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研究分担者 |
DONNI Andreas 新潟大学, 理学部, 助教授 (50292199)
落合 明 新潟大学, 工学部, 助教授 (90183772)
長谷川 彰 新潟大学, 理学部, 教授 (40004329)
片岡 光生 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (20005961)
根本 祐一 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10303174)
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キーワード | 超音波 / 音響ドバース効果 / 希釈冷凍機 / 重い電子 / 希土類化合物 / フェルミ面 |
研究概要 |
超音波の温度磁場依存性を測定すると、金属、磁性体の電子状態を知ることができ、希土類化合物の4f電子や遷移金属化合物の3d電子など軌道自由度系の四重極子効果の研究が注目されている。他方、伝導電子系と格子振動との相互作用は物性に基本的役割を果たしており、超音波実験に基づく電子-格子相互作用の研究は重要である。代表者が開発した音響ドハース効果は、伝導電子系での電子-格子相互作用を決定できる。本基盤研究では大型超伝導磁石(18T)を設置し、希釈冷凍機(平成10年度大学院基盤研究設備費で設置)とを結合させた極低温での超音波測定装置を設計・製作を進めた。この希釈冷凍機はトップローデイング方式であり、挿入プローブには磁場中での試料方位の制御を行うため回転ゴニオを設置した。高周波数超音波信号の入出力に必要な同軸パイプも装備し、高周波数での実験が可能となった。試料装着機構の開発も行った。最初の実験試料として、メタ磁性を示す重い電子系CeRu_2Si_2を取り上げた。縦波C_<11>モードはメタ磁性転移点(8T)の近傍で巨大なソフト化を示し、顕著な温度変化が見られ、23mKでは約40%もの鋭い落ち込みが見られた。また、10T以上の強磁場領域で音響ドハース効果による弾性定数の振動が観測された。この実験により極低温20mK、強磁場18Tの極限環境での超音波実験が可能であることを実証した。新潟大学の超音波実験システムは国際的に見ても最高水準の実験が可能であり、今後の国内外との共同研究の発展が切に望まれる。
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