研究分担者 |
筒井 智樹 秋田大学, 工学部, 助教授 (70240819)
金嶋 聡 東京工業大学, 理学部, 助教授 (80202018)
須藤 靖明 京都大学, 理学部, 助教授 (40025466)
大湊 隆雄 東京大学, 地震研究所, 助手
橋本 武志 京都大学, 理学部, 助手 (70283588)
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研究概要 |
本研究では,基本周期15秒という特異ともいえる阿蘇火山の長周期微動源の実体解明を目指している.今年度は,今までの定常観測を続けるとともに,(1)初年度におこなった観測の解析の公表,(2)昨年度阿蘇火山の合同構造探査計画に併せておこなった地震学的・電磁気学的探査のデータ解析,(3)新たな地震アレイ探査をおこなった. 具体的には,(1)稠密広帯域地震観測から微動の振動源の幾何学的形状(亀裂状の構造)を明らかにし,国際誌にYamamoto et al.(1999)として公表した.活動的火山の火口直下にこのような構造が地震学的に明らかにされたのは初めてのことである.(2)電磁気探査のデータ解析から,火口直下1kmあたりに低比抵抗層の存在が明らかにした.長周期微動の振動源を帯水層における熱水活動とした当初の予想と調和的な結果である.(3)長周期微動に伴って観測される1-3Hzの微動の長周期微動との関連を明らかにし,その発生メカニズムに制約を与えるために,短周期地震計アレイを同時に2ケ所に展開した.個々のアレイは29の地震計からなり,火口から1.5Km程の範囲に設置した.これにより,二つのアレイから見込むような形で短周期微動を観測でき,位置の特定が確実になる.初期解析の結果からは,短周期微動は亀裂状の構造をもった長周期微動の振動源の上端で集中して起きていることが明らかになりつつある.
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