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2000 年度 実績報告書

氷床コアを用いた氷期-間氷期にわたる大気成分とその同位体の変動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09304045
研究機関東北大学

研究代表者

中澤 高清  東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30108451)

研究分担者 町田 敏暢  国立環境研究所, 主任研究員 (20260185)
佐伯 田鶴  東北大学, 大型計算機センター, 助手 (30302243)
青木 周司  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00183129)
渡辺 興亜  国立極地研究所, 教授 (60111861)
キーワード氷床コア / 氷河期 / 二酸化炭素 / メタン / 一酸化二窒素 / 同位体 / 物質循環
研究概要

コアからの空気抽出とその分析を継続するとともに、フィルン空気の分析結果を数値モデルで解析することにより、過去34万年間にわたる諸大気成分の変動の実態を明らかにした。本研究によって得られた結果をまとめると以下のようになる。
(1)フィルンの空気は主に分子拡散によって移動することが明らかであり、コア中の各空気成分へ与える影響を、N_2のδ^<15>Nの分析結果を基に補正する方法を確立した。また、コアと空気の年代差は、氷期-間氷期において2000年から5000年の幅で変化していた。(2)CH_4濃度は、氷期から間氷期へ遷移する際に急増し、間氷期の終わりに急減した後、かなり大きな変動を伴いながら、氷期最盛期の最低値へと徐々に減少していた。このような変動は気温と良い相関があり、地球軌道要素の変化に起因する気候変化によって、低緯度から北半球中緯度にかけてのCH_4放出源が影響を受けたためと考えられた。(3)N_2O濃度は、間氷期に高く氷期に低いという変動を示したが、氷期最盛期において非常に高い値がしばしば見出され、海面低下に伴って露出された大陸棚での微生物活動がその原因と考えられた。(4)CO_2濃度は氷期-間氷期サイクルと良く同期して190ppmから300ppmの間で変動しており、特に11.5万年の周期の変動が卓越していた。(5)大気中のδ^<18>Oは、基本的には海面変動を反映して、多少の遅れを伴って海洋のδ^<18>Oの変化に追従していたが、間氷期から氷期に転ずる際には関係が逆になっており、陸上生物の寄与が大きいことが示唆された。(6)コア中のδ(O_2/N_2)は大気より明らかに低く、氷への空気取り込みの際にO_2の選択的逸脱が生じている可能性が指摘された。また、空気含有量は間氷期より氷期に多く、従来の知識とは全く逆の結果となり、新たな支配プロセスの検討を行った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Kawamara: "Variations of the carbon isotopic ratio in atmospheric CD_2 ever the last 250 years derived from an Antartic icecite"Polar Meterol.Glaciol.. 14. 47-57 (2000)

  • [文献書誌] S.Morimoot: "Latitudinal distribution of atmospheric CD_2 sources and sinks inferred by δ^<13> c measurements"J.Geophys.Res.. 105. 24315-24326 (2000)

  • [文献書誌] O.Watanabe: "ECM profile on the 525 core and its relationship with chemical compositions"Bull.Glaciol.Res. 17. 17-22 (2000)

  • [文献書誌] K.Ishijima: "Concentration variations of troposherio nitrous oxide ever Japan"Geophys.Res.Lett.. 28. 171-174 (2000)

  • [文献書誌] 中澤高清: "大気の化学と地球環境"学会出版センター(印刷中). (2001)

  • [文献書誌] T.Nakagawa: "Encyclopedia"John Wiley and sons(印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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