研究分担者 |
竹内 誠 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80273217)
山本 鋼志 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70183689)
鈴木 和博 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90111624)
小嶋 智 岐阜大学, 工学部, 教授 (20170243)
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研究概要 |
CHIME法(トリウム-ウラン-全鉛アイソクロン法)という新しい年代測定法を駆使した名古屋大学グループの最近の年代研究によって,日本列島のルーツは約30億年前の始生代(Archeam)にさかのぼることが明らかとなった(Suzuki and Adachi,1991;足立・鈴木,1993など)。始生代の岩石は,日本付近では中国北部等のごく限られた地域にのみ分布していることから,始生代の砕屑粒子は日本列島の起原を考える上で第一級の情報となる。本研究は,日本列島の形成解明の一環として,始生代の砕屑粒子が日本の"どの地質帯の""どのような砂岩に""どのような形で""どの程度"存在するかを,砂岩の岩石学的検討,砕屑粒子のCHIME年代測定,ICP質量分析計による砂岩の化学組織解析,によって明らかにする目的で行われた。 本研究で取り扱った砕屑岩は,主として西南日本内帯の美濃帯・飛騨帯及び西南日本外帯の四万十帯の砂岩である。これらについて,(1)砕屑性ジルコン・モナザイト・ゼノタイム・アラナイトのCHIME年代測定,(2)ICP質量分析計による砂岩とそれに付随する泥質岩の主成分・微量成分組織の解析を重点的に行った。とりわけ,ジルコン・モナザイト・アラナイト等に含まれる希土類元素(REE)のICP分析に関する問題点を詳しく検討した。砕屑性ジルコンのCHIME年代測定の結果,20億年前後の年代を示す粒子は多く存在するが,25億年以前(すなわち始生代)の粒子は少ないこと,さらに30億年以前の粒子はごくまれであることが判明した。
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