研究課題/領域番号 |
09304056
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山崎 巌 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80002111)
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研究分担者 |
秋本 誠志 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40250477)
西村 賢宣 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60218211)
太田 信廣 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70113529)
三室 守 山口大学, 理学部, 教授 (40142004)
大須賀 篤弘 京都大学, 理学研究科, 教授 (80127886)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 分子配列系光化学 / 電子移動 / 励起エネルギー移動 / フェムト秒レーザー / 光合成反応中心 / ポルフィリン |
研究概要 |
本研究課題は、生体および人工の分子連鎖配列系における超高速光化学反応とそこで起こる非平衡過程を明かにすることを目的としている。 (1)LB単分子膜、LB多層膜における励起エネルギー移動 単分子膜面内および層間励起移動は、10Kでは室温と比較して移動速度が著しく遅くなり、理論的な解析の結果、分子の熱揺らぎが励起移動に与える影響が明かとなった。 (2)合成組織化分子における励起子伝搬と電子移動 亜鉛ポルフィリンの環状多量体、線形多量体および交差型多量体について、第2励起状態からの蛍光減衰を観測し、励起子伝搬が第2励起状態から、非平衡状態として直接的に起こっていることがわかった。これは従来のKashaの法則として知られた光化学の原理と相反する挙動であり、分子配列系を特徴付ける特性として位置付けた。 (3)電子移動反応に対する外部電場効果 LB膜中に配列した電子供与体と受容体の間の電子移動では、印加電場にによって電子移動速度が変化すること、その特性は光励起によって生成した電子状態に依存しており、上記の特性と併せて、分子配列系の光化学の特徴が明かとなった。 (4)光合成反応中心における励起移動 光合成反応中心蛋白におけるカロテノイド分子の電子緩和について、8種類の異性体についてその全容が明かとなった。カルボニル基をもつカロテノイドでは内部転換が速く、クロロフィルヘの励起移動が第1励起状態から起こるのに対して、カルボニル基を持たないものでは、励起移動が第2励起状態から起こるという一般的な特性が明かとなった。
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