研究分担者 |
南部 伸孝 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (00249955)
高見 利也 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (10270472)
青柳 睦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (00260026)
天能 精一郎 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (00270471)
池上 努 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (80245612)
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研究概要 |
2乗可積分関数を用いた光電子脱離断面積の計算方の基底関数として、箱型ポテンシャルの固有関数を用いることとし、必要な分子積分プログラムを開発した。水クラスター負イオン(H_2O)_nの構造を分子軌道法によって研究した。いわゆる双極子場束縛型に加えて、余剰電子が二つの水分子のOHに包まれる内部包含型ともいえる異性体がn=2,3,4から安定に存在する事を見いだした。内部包含型では(OH){e}(HO)結合とも呼べる電子雲と複数の(OH)結合の相互作用で安定になっている。1族金属M(Li,Na)と水クラスターの錯体M(H_2O)_nにもこの形の結合は見いだされ、金属から放出された電子の安定化に寄与して、M(H_2O)_nのイオン化しきい値がn>3でMにもnにもあまり依存しない原因となっている可能性が強いことが明らかになった。また、X(H_2O)_n(X=F,Cl,Br)の分子内振動と分子間振動の相互作用も調べている。Mg^+(H_2O)_nの理論電子スペクトルと光解離励起スペクトルを比較し、異性体が実験スペクトルに寄与していることを明らかにした。解析的微分を含む一次元結晶軌道・密度汎関数プログラムを開発し、基本的な高分子に適用した。HF方程式の解析的2次エネルギー勾配法および2次メラー・プレセット摂動法のエネルギー期待値に対する解析的1次微分計算に必要な公式を導出し、実用的プログラムを完成した。アルゴンクラスター陽イオンが光吸収後、非断熱遷移を繰り返しながら電子的基底状態に無輻射的に遷移していく様子を、量子遷移を伴う分子動力学によって追跡した。その減衰課程を簡単なモデルで解析することができた。各モンテカルロステップごとにab initio MO CI計算を実行し、Si_2C_2の光電子スペクトルをシミュレートした。直線型と環状型の二つの異性体が混在しかつ有限の内部エネルギーを持っていると仮定するならば実験結果を説明できる。窒素分子の2量体の分子間ポテンシャルを高精度に計算し、分光学的にこの2量体が観測できる条件を検討した。(CO_2)^-_nクラスターとCH_3Iとの反応で形成されるCH_3CO_2Iの構造を同定し、さらにこの負イオンの光解離励起スペクトルと解離分岐比を理論的に解析した。
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