研究概要 |
研究代表者等が独自に見出した高原子価金属ポルフィリン錯体を増感剤、水分子を電子源、酸素源とする人工光合成型物質変換反応について検討しi以下の研究成果を得た。 1)反応の一層の高効率化のための最適中心金属およびポルフィリン誘導体の探索:ポルフィリン錯体中心金属としてSb(V),P(V),Sn(IV),Ge(IV),In(III)、Ru(III),Pt(II),Rh(III),Os(II),Pd(II)を中心に検討した。活性中間体として従来推定されていた1)ポルフィリンカチオンラジカル、2)金属オキソ錯体に加えて、3)金属ダブルオキソ錯体が存在することの化学的事実を見出した。特にRu(III)ポルフィリンでは極めて高い反応性と生成物選択性を達成できた。 2)反応機構の解明と反応設計 主にレーザーフラッシュフォトリシス法により1)関与する電子励起状態の特性、2)励起状態におけるプロトン解離過程、3)励起状態 における電子移動過程、4)反応活性種の検出と動的過程の観測、などについて詳細に検討した。代表例としてSb(V)ポルフィリン錯体について詳細に検討し、活性種である金属オキソ錯体と帰属できる中間体を検出することに成功した。反応性を支配する要因、選択性を支配する要因について重要な知見が得られた。 3)異方性反応場の開発 一層の高効率反応を達成するために異方的反応場中での光電子移動の展開と層状半導体の層空間における光反応場の構築を試みた。金属ポルフィリン類を層状半導体層空間中に初めて取り込ませることに成功した。可視光照射により実際に金属ポルフィリンから層状半導体への電子注入が進行し、還元剤添加下では水素発生が誘起されることも見い出した。 本研究により水を電子源、酸素源とする人工光合成型物質変換反応について反応の高効率化、反応制御への提言が可能になったと言える。
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