研究課題/領域番号 |
09304066
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松尾 隆裕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00028185)
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研究分担者 |
山室 修 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (20200777)
稲葉 章 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30135652)
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キーワード | ガラス状態 / 緩和過程 / 非指数関数性 / 非アレニウス性 / 塾測定 / ボゾンピー / 中性子散乱 / 蒸着非晶質 |
研究概要 |
ガラス状態や非晶質固体における様々の物性現象は結晶の場合と違って、構造上の周期性がないために無秩序性に起因する特異な側面ある.そこに見られる現象は大きく2つに分けられる.第一は緩和過程に結びつくもので、ガラス転移を代表として、α緩和、β緩和、緩和の非指数関数性、緩和時間の非アレニウム性などの深い未解決問題がある.ガラス転移における緩和過程を研究するうえで、現在もっとも必要とされる事柄の一つは、様々の程度に乱れたガラス状態を同一物質で実現することである.当科学研究補助金によって気相から直接に極低温の金属表面に分子を蒸着することにより、極めて無秩序性の高い試料を生成することが可能となった.また液体試料を急冷することによって高いエンタルピーと高いエントロピーをもつガラス状態を実現する装置が完成した.この装置による冷却速度は従来の液体急冷法で得られる速度の約1000倍に達する. 非晶質に関する第2の論点は極低温における過剰熱容量とそれに関連した振動状態密度である.3メチルペンタンやグリセリン等の蒸着試料、急冷試料について、中性子非弾性散乱実験と低温熱容量測定によって、分子性非晶質の振動特性(ボゾンピーク)を定量的に解析する方法を確立した.
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