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2000 年度 実績報告書

分子性凝縮相における樋端非平衡状態の生成とその物性の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09304066
研究機関大阪大学

研究代表者

松尾 隆祐  大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00028185)

研究分担者 山室 修  大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (20200777)
稲葉 章  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30135652)
キーワードガラス状態 / 非晶質 / 低温熱容量 / 中性子散乱 / 水溶液 / メタリン酸塩 / 低エネルギー励起 / ボゾンピーク
研究概要

1.塩化リチウム、塩化ベリリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムの水溶液の水溶液を急冷することにより、非晶質固体(ガラス状態)をつくり、低温熱容量、中性子非弾性散乱、および中性子回折の実験を行った.また水を低温壁に蒸着することにより非晶質氷を生成しこの中性子非弾性散乱強度を測定した.水溶液系のすべてについて、10-15ケルビンの温度において非晶質は結晶化させたものより3-5倍の熱容量をもつことがわかった.また、中性子散乱では4-5meVに過剰の散乱強度が現れた.水溶液系ガラスではボゾンピークが存在しないとされてきたが、熱および中性子散乱の結果はともにその存在を明確に示した.また蒸着非晶質氷の中性子散乱からも、2-5meVの領域にに結晶状態に比べて大きい過剰のの状態密度を見出した.さらに水分子の回転振動にあたる領域(40-70meV)には結晶氷より低くいエネルギーにシフトした散乱強度を得た.また試料のアニーリングによってこれらは高いエネルギーにシフトし、結晶のスペクトルに近づくことが明らかとなった.今後これらの結果をソフトホテンシャルモデルと比較する.
2.ガラス状態にあるメタ燐酸アルカリ塩の熱容量を極低温から測定し、また同じ試料を熱処理によって結晶化させたものの熱容量を測定した.10-40Kにおいて、Na,K,Rb,Csすべてのメタ燐酸塩非晶質が結晶化試料に比較して最大約3倍の熱容量をもつことを見出し、その解析によって、低エネルギー励起に関係する状態密度を得た.以上の結果は非晶質の動的性質に関する最も確実な定量的解析である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Odagaki et al.: "Sealing of the Specific Heat of Fragile..."J.Phys.Soc.Jpn. 69(4). 991-992 (2000)

  • [文献書誌] Y.Mizutani et al.: "Single Crystal X-ray Diffraction and ..."Netsusoleutei. 27(3). 118-127 (2000)

  • [文献書誌] Y.Miyazaki et al.: "Low Temperature Heat Capacity and"J.Phys.Chem.,. 104(33). 8044-8052 (2000)

  • [文献書誌] O.Yamamuro: "Bcson Peales of glassy mono and Paly..."J.Phys.: Condens matter. 12(20). 5143-5154 (2000)

  • [文献書誌] T.Matsuo et al.: "Proton Tunneling and deuteration-induced..."J.Phys.: Condens.matter. 12(28). 8595-8606 (2000)

  • [文献書誌] N.Onoda.Yamamuro et al.: "Neutron Diffraction Stud on Hgdrogon..."J.Phys.: Condens.matter. 12(28). 8559-8565 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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