研究概要 |
水溶液中に分散したアクリルアミド系ポリマーは、集光レーザービームの光熱変換に基づく焦点近傍の温度上昇により相転移を引き起こす。グロビュールコンホメーションは疎水性であるため会合し、小さな会合体を形成し、集光レーザービームの光圧により焦点に引き寄せられ、目に見える大きさの単一微粒子を形成する。この新しい分子集合構造の形成を9-(4-N,N-ジメチルミノフェニルフェナントレン)のCT蛍光をプローブとして化学的に結合したポリ(N-イソプロピルメタクリルアミド)についてこの2つの方法で評価した。まず捕捉用ビームと蛍光測定用励起ビームを独立に3次元的にずらして動かし、CT蛍光のピーク波長と減衰曲線の3次元分布を調べ、局所温度分布とコンホメーションの知見を求めた。次に焦点面から微粒子をずらして透過像を観察し、形成された微粒子の形状を求めた。この取り組みにより光圧によるnm高分子の集合会合構造を明らかにするとともに、光圧ポテンシャルの空間分布の見積もりを可能とした。 このように他の作製法では実現できないナノメートル領域の分子の配向、会合、集合状態を形成する方法論として確立しつつある。
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