研究分担者 |
長谷部 光泰 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40237996)
門脇 光一 農林水産省, 農業生物資源研究所, 農林水産技官
伊藤 元己 千葉大学, 理学部, 助教授 (00193524)
植田 邦彦 金沢大学, 理学部, 教授 (60184925)
山田 恭司 富山大学, 理学部, 教授 (70200714)
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研究概要 |
1, 吉永は、ホウライツノゴケ葉緑体DNAの構造を分析し、他の植物の遺伝子と比較した結果、遺伝子psbL、psb、psbF、およびpsbJからの転写物で、それぞれ1、4、5、および4ヶ所編集を予測した。 2, 山田は、シダ植物ワラビの葉緑体のaccD転写物を分析し、合計14ヶ所の編集をみつけた。それらの内2カ所はUからCのリバースタイプであった。また、ヒカゲノカズラの葉緑体DNAの構造を分析して、22遺伝子の転写物で80カ所の編集を予測した。 3, 植田は、小葉類の葉緑体を分析し、イヌカタヒバ、コンテリクラマゴケ、ヒメミズニラ、およびミズスギでそれぞれ31、47、3、および12カ所の編集をみつけた。これらの内には合計8カ所のリバースタイプもあった。 4, 伊藤は、藻類の中で陸上植物に最も近縁であると考えられているシャジクモ藻綱コレオケーテの葉緑体を分析したが、atpBの転写物では編集をみつけることができなかった。また、他の多くの緑藻類との比較から、緑藻では編集がないであろうと推定した。 5, 長谷部は、陸上植物の根元であろうとされているタイ類に注目して、多くのタイ類からゲノムDNAとcDNAを調整し、門脇と共同でミトコンドリアにおけるRNA編集の検証を開始した。これまでのところ、茎葉性苔類ではRNA編集があるが、葉状性苔類ではみつかっていない。葉状性苔類と緑藻類で編集がないことから、葉状性苔類が最も原始的な陸上植物である可能性を示唆している。
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