研究分担者 |
伊藤 元己 千葉大学, 理学部, 助教授 (00193524)
植田 邦彦 金沢大学, 理学部, 教授 (60184925)
山田 恭司 富山大学, 理学部, 教授 (70200714)
長谷部 光泰 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (40237996)
門脇 光一 農林水産省, 農業生物資源研究所, 農林水産技官
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研究概要 |
1,コケ植物ツノゴケ類のホウライツノゴケにおけるRNAエディティング 葉緑体では、20種以上の遺伝子の転写物がエディティングを受けていた。これらの特徴は、1,000塩基あたり20〜4のエディティング部位があり、全てのエディティングが指定するアミノ酸を換える。また、CからUへの変換とUからCへの変換がほぼ同数みつかり、全ての変換は同じRNA上にあるガイドRNA(gRNA)によって指定される。 ミトコンドリアのcox1転写物では420塩基あたり13箇所のエディティングがあり、その内UからCへの変換が4箇所有った。 2,コケ植物タイ類のRNAエディティング 4種のタイ類のミトコンドリアを調べたが、エディティングを検出できなかった。 3,小葉類におけるRNAエディティング 4種の小葉類の葉緑体では多くの部位でのエディティングがあり、UからCへの変換もあった。また、gRNAに相当する配列も同じRNA上にみつかった。ヒカゲノカズラのミトコンドリアでは、420塩基あたり5箇所のエディティングがあり、全てCからUへの変換であった。 4,シダ植物におけるRNAエディティング ワラビとマツバランの葉緑体を分析した結果、ワラビの14遺伝子の転写物で約90箇所のエディティングがあり、その内にはUからCへの変換もみつかった。しかし、マツバランでは葉緑体ゲノム全ての転写物について、エディティングの可能性を調べたが、エディティングを検出することはできなかった。 以上のことから、RNAエディティングの有無は植物進化についての情報を提供できないであろうと結論した。また、遺伝子構造に基づく分子系統樹が示す植物の相対的位置はエディティングを考慮しても変化しなかった。
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