研究課題/領域番号 |
09305002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
清水 勇 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40016522)
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研究分担者 |
神谷 利夫 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (80233956)
フォートマン チャールズ・マイケル 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70293066)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 原子状水素 / 構造制御 / 高移動度 / VHFプラズマ / SiF_4 / 太陽電池 |
研究概要 |
本研究では、構造制御のメディエータとして有効な「水素原子」を積極的に利用し、ガラスなどの廉価な基板上に、高速で高移動度を有する高品質半導体を形成する技術を開発することを目的とした。 昨年度までに、2反応容器からなるVHFプラズマCVD装置を設計・試作し、原料ガスとしてSiF_4を用いることで400℃以下の低温で結晶性の良い多結晶シリコン薄膜が得られることを確認した。特に、原料ガス流量比SiF_4/H_2を変えることで、薄膜の構造をランダム配向から(220)、(400)配向と制御できること、水素流量を増やすことで、低温でも結晶性の高い膜が得られ、150℃でも結晶化率83%の多結晶シリコンが得られること、極少量(<2sccm:3%)のSiH_4を混合することで、堆積反応を活性化させ、1nm/sを超える成長も実現できることなどを実証した。本年度はさらにこれら構造制御の機構と制御について詳細な検討を行うとともに、多結晶シリコン薄膜のさらなる高性能化の検討を行った。 その結果、このような構造制御において、成長温度とガス流量比に対する膜構造の関係を明らかにし、成長機構についての知見を得た。特に、300℃の温度においては、フッ化物種による成長結晶面の選択成長とともに(100)面上への堆積前駆体の選択付着のバンランスがガス流量比によってかわり、エッチングの強い条件において(400)配向膜が成長することが分かった。さらに、(400)配向膜の結晶粒内の構造規則性、キャリア輸送特性が高品質レーザアニール膜や単結晶に近い良質なものであることを明らかにし、将来の高性能薄膜トランジスタ材料として有望であることを見出した。さらに、非ドープ(400)配向膜の伝導特性を改質するため、in situ水素プラズマパッシベーション技術と高温高圧水蒸気によるポストアニール処理を検討し、どちらも非ドープ膜中のキャリア密度を大きく低減できることを確認した。
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