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1997 年度 実績報告書

クラスターイオンビームと固体との非線形相互作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09305004
研究種目

基盤研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

山田 公  京都大学, 工学部, 教授 (00026048)

研究分担者 松尾 二郎  京都大学, 工学部, 助手 (40263123)
高岡 義寛  京都大学, 工学部, 助教授 (90135525)
キーワードクラスターイオン / TOF / 多価イオン / 非線形 / スパッタリング / 多体衝突 / 質量分析
研究概要

常温ガスの原子、分子を数百の粒子の集団(クラスター)にし、イオン化・加速したガスクラスターイオンビームの固体との非線形相互作用を解明し、新しい材料プロセスとして展開させるために必要なデータを集積し、その基盤の確立を行った。従来のイオンと固体との相互作用が主としてバイナリーコリジョンであるのに対し、クラスターイオンの場合には全く異なる相互作用であることが明らかになった。これらの結果をもとにして、さらに固体表面にかかわる原子レベルで相互作用の動的現象を調べ、クラスターイオン特有の照射効果を明らかにし、現在進んでいるプロセス技術の基礎の確立を行った
実験には、まずアルゴンクラスターを用いた。これは希ガスクラスターイオンビームは衝突時に化学反応を起こさない単純化された系であり、固体表面相互作用の研究に適しているためである。本年度は、入射するクラスターイオンの評価を中心に行い、プロジェクタイルであるクラスターのサイズ分布や荷電子数に関する測定を行った。その結果、現在用いているクラスター発生装置から取り出されるクラスターの平均サイズが3000程度であることがTOFの実験から明らかになった。この平均サイズは、これまでの測定法であるリターディング法やE×B法の結果とほぼ一致している。しかし、このような大きな質量を持つクラスターサイズを正確に測定する為には、二次電子放出量を補正することが必要であり、そのための実験データの蓄積を行った。また、クラスターをイオン化する時の電子衝撃の電圧が100V以上になると2価イオンのみならず4価のクラスターイオンまでも観測され、多価クラスターイオンの生成が予想以上におおきなことも明らかになった。これらの実験結果により、非線形現象を起こすクラスターイオンのサイズや価数に関して詳細な情報を得ることができた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 山田公・松尾二郎: "ガスクラスターイオンビームによる固体表面プロセス" 応用物理. 66・6. 559-568 (1997)

  • [文献書誌] I.Yamada, J.Matsuo, E.C.Jones, D.Takeuchi, T.Aoki, K.Goto and T.Sugii: "Range and damage distribution in cluster ion implantation" Materials Research Society Symposium Proceedings. 438. 363-374 (1997)

  • [文献書誌] I.Yamada: "Prospects of materials processing by gas cluster ion beams" Application of Accelerators in Research and Industry. 479-482 (1997)

  • [文献書誌] Z.Insepov and I.Yamada: "Computer simulation of crystal surface modification by accelerated cluster ion impacts" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 112. 44-48 (1997)

  • [文献書誌] T.Seki, T.Kaneko, D.Takeuchi, T.Aoki, J.Matsuo, Z.Insepov and I.Yamada: "STM observasion of HOPG surfaces irradiated with Ar cluster ions" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 121. 781-785 (1997)

  • [文献書誌] M.Tanomura, D.takeuchi, J.Matsuo, G.H.Takaoka and I.Yamada: "Fullerene ion irradiation to silicon" Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 121. 480-483 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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