研究課題/領域番号 |
09305008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
庄子 哲雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80091700)
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研究分担者 |
中島 美樹子 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (80005488)
渡邉 豊 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10260415)
MINCOV DORIAN 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30291264)
玉川 欣治 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30005368)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 環境助長割れ / き裂先端溶液化学 / マイクロサンプリング / 毛細管電気泳動法 / スキャニングプロ-ブ顕微鏡 / 再不働態化 / イオンクロマトグラフ |
研究概要 |
すべり溶解(酸化)モデルに基づき、環境助長割れ進展速度式が本研究代表者によって提案されている。しかしながら、式中に含まれる「材料パラメータ」「力学パラメータ」「環境パラメータ」及びこれらの「相乗パラメータ」の多様性より定量的にき裂進展速度を評価することが困難である。理論式に含まれるパラメータは局所的な値が必要であるが特に局所環境条件の定量把握の必要性が高まってきている。 本研究は上記の背景のもとに平成9年度より開始したものであり、得られた成果を要約すれば以下の通りである。 (1)き裂先端の局所環境評価のためのマイクロサンプリング法の開発 マイクロサンプリングシステムの改良によりサンプリング容量を従来の50μlから2μlにまで減少させることが可能となったが、さらに量の低下を図ることが必要である。全く新しいサンプリング法により、き裂先端のみの溶液を採取する手法を開発した。検出感度は硫酸イオン及び塩素イオンについて〜5ppb程度にまで向上させることができた。以上の計測は主に高温高圧水中の低合金鋼及びステンレス鋼について実施された。 (2)局所環境の結果として生ずる局所的表面被膜物性を原子間力顕微鏡及び磁気力顕微鏡によって計測し、環境の違いによる被膜の電気的、磁気的特性が異なることを明らかにした。また、in-situ被膜物性の計測として高温高圧水中における接触電気抵抗を測定し、その電位(溶存酵素)依存性、温度依存性、材質依存性を明らかにした。 (3)上記局所環境条件及び被膜特性の計測結果をもとに理論式による予測を行い、実験データとの比較検討を行い、き裂先端水化学に強く依存する新生面溶解(酸化)特性を示すm値の重要性を示し、m値に及ぼすき裂先端ひずみ速度の影響を理論式に組み込み、逆問題的手法により未知パラメータの推定を行い、計測結果と比較検討し、良い対応を確認した。
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