研究課題/領域番号 |
09305018
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山岬 裕之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50016531)
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研究分担者 |
大久保 雅章 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (40223763)
末包 哲也 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (30262314)
岡村 哲至 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10194391)
奥野 善裕 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10194507)
椛島 茂治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (80016104)
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キーワード | プラズマMHD発電 / エネルギー変換 / 高性能化 / ゆらぎ / 全圧損失 |
研究概要 |
エネルギー問題は、現在「経済成長」、「資源・エネルギーの確保」、「環境保全」というトリレンマに陥っている。このような状況の中で発電の高効率化は、このトリレンマを解決する重要な研究課題である。本研究対象であるプラズマMHD発電は、回転機械でないため高温での動作が可能であり、現在の発電プラントと比較して飛躍的に高い58〜63%の高効率発電が可能である。本研究ではプラズマMHD発電機の性能を飛躍的に高めるために、発電機の形状と面積比の最適化による性能向上という新しい方法を提案し、それを実験的に検証することを目的としている。 本年度は、既設の大型衝撃波管風洞と磁場装置を用いて、種々の運転条件下での電子密度の揺らぎや、流れの様子、さらに発電性能について調べた。プラズマMHD発電機の性能は、プラズマの電離が発電機内のどの位置で起きるかによって大きく左右される。そこで、ノズル内と発電チャネル内の二カ所で光学測定を行うと共に、電子温度の計測を行った。また、発電機の効率は取り出される出力と圧力損失に依存するが、本研究ではこの両者を同時測定した。その結果、圧力の増加と共にプラズマの安定領域が広がり、電子密度の揺らぎが小さくなり、放電が一様化するという、極めて重要な知見を得ることができた。また、発電機入口での全圧の増加と共に圧力損失が小さくなり、世界最高の段熱効率46.5%を得ることができ、同時に出力密度も140MW/m^3と高い値が得られ、出力密度の実用化目標を達成することができた。さらに、エンタルピー抽出率についても高い値が得られたが、今後さらに発電性能を向上させるためには、発電機形状のさらなる最適化と、発電機入口での旋回流の導入が必要であることが示唆された。
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