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1997 年度 実績報告書

共鳴X線散乱による磁性薄膜の界面磁気構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 09305019
研究種目

基盤研究(A)

研究機関東京工業大学

研究代表者

橋爪 弘雄  東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (10011123)

研究分担者 坂田 修身  東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (40215629)
キーワード共鳴X線磁気散乱 / 円偏光X線 / ヘリシティ切換え / Fe / Gd多層膜 / 捩れ磁気構造
研究概要

(1)ヘリシティ切換え型X線円偏向制御装置の設計
ダイアモンド単結晶位相遅延子の特性を種々の表面方位、反射面について検討した。(001)表面結晶の(111)反射面を用いる透過型遅延子では、結晶内のX線パスが短いので、現在広く使われている(111)表面、(111)反射面の遅延子より強度が数倍高く、円偏向度が同程度のビームが得られることが分かった。反射面を入射直線偏向X線に対して45°傾けるゴニオメータ、結晶をブラッグ条件の附近で1mrad程度回転させる角度調整機構(ピエゾ素子使用)を設計した。
(2)クライスッタの設計
スプリット型超伝導コイルを内蔵し、X線ゴニオメータに搭載できるクライオスッタを設計した。可変温度範囲は室温〜3K、最大磁場は2Tである。液体ヘリウムを使用し、試料は2つのコイルの間に設置する。0〜60°の範囲に散乱されたX線の測定が可能である。クライオスタットは±45°の範囲で全体を傾けることができる。
(3)Fe/Gd多層膜の捩れ磁気構造
厚さ3.5nmのFe膜と厚さ5nmのGd膜を15対積層した多層膜を真空蒸着法で作成し、GdのL3吸収端でX線鏡面反射の共鳴磁気散乱を種々の温度で測定した。データを解析したところ、170K(補償温度)以上の温度では多層膜は整列状態にあり、Gd膜は外部磁場と反対方向に磁化していること、磁化は膜厚方向に不均一であり、Fe膜との界面近傍で大きく、膜厚の中央で小さいことが分かった。170K以下ではGd膜は捩れ状態にあるが、その磁気構造は温度に依存する。すなわち、補償温度に近い温度ではGdの磁気モーメントはFe層との界面附近でのみ捩れているが、補償温度より30K程度低い温度ではGd膜全体が捩れ、膜厚の中央附近では磁気モーメントが外部磁場に垂直な方向を向いている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.HASHIZUME: "Resonant X-ray magnetic scattering from the twisted state of an Fe/Gd film" Physica B. (印刷中).

  • [文献書誌] D.R.LEE: "Resonant X-ray reflectivity me asurement of a magnetic multilaye" Physica B. (印刷中).

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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