研究課題/領域番号 |
09305019
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
橋爪 弘雄 奈良先端科学技術大学院大学, 物資科学教育研究センター, 教授 (10011123)
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研究分担者 |
山口 雄一 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (80302983)
奥田 浩司 奈良先端科学技術大学院大学, 物資科学教育研究センター, 助教授 (50214060)
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キーワード | 共鳴X線磁気散乱 / シンクロトロン放射 / 磁性多層膜 / 磁気構造相転移 / 薄膜不均一磁化 / 界面磁気ラフネス |
研究概要 |
1.円偏光X線の共鳴散乱により磁性多層膜の磁気構造を解析する新しい実験法を開発した。ダイアモンド移相子をブラッグ条件の近傍で回転振動させ、磁性原子の吸収端のエネルギーを持つシンクロトロンX線から右および左円偏光を作り出す。これを試料に当て、それぞれの散乱強度を散乱角の関数として測定する。両強度の和は電荷散乱、差は電荷磁気干渉散乱を与える。これらを解析すると、磁性薄膜の磁気構造が分かる。 2.[Fe(3.5nm)/Gd(5.4nm)]_<15>のGd層の磁化構造を上記の方法で解析し、この多層膜のFe整列状態、捩れ磁化状態におけるGd層の磁化構造をサブナノメーターの分解能で決定した。その結果、(1)両状態においてGd層はFe層との界面で飽和磁化を持ち、内部の磁化は小さい、(2)Gd層のキュリー温度はバルクのそれより50K以上低い、(3)捩れ磁化状態における局所Gd磁化の面内回転角は膜厚方向に不均一で、その分布は温度によって変化する、ことが明らかになった。 3.上記試料の共鳴磁気散漫散乱データを解析し、(1)この試料の磁気界面は電荷界面より滑らかな構造を持つ、(2)電荷界面はFe/Gd界面にのみ存在するが、磁気界面はGd層内にも存在し、これらの内部界面は磁気的にラフである、ことを明らかにした。
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