研究分担者 |
藤川 賢治 京都大学, 情報学研究科, 助手 (40293899)
椋木 雅之 京都大学, 情報学研究科, 助手 (20283640)
廣瀬 勝一 京都大学, 情報学研究科, 講師 (20228836)
中村 素典 京都大学, 経済学部, 助教授 (30268156)
岡部 寿男 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (20204018)
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研究概要 |
本研究では,本来ATMネットワークでは不向きと言われていたインターネットのマルチキャスト機能を,スケーラブルな方法で実現するため,新たにPLASMA(Point-to-point Link Assembly Simp1e Multiple Access)と呼ぶ方式によって実現した.これによって,これまでのネットワークよりも格段に高速でかつ帯域保証可能なマルチキャスト通信が可能となった.具体的には,PLASMAにより高品質の映像を多地点に同時転送することなどが容易に行えるようになる. 次に,アプリケーションからそのネットワーク上で実際にATM上でのマルチキャストを利用するために,インターネット上で標準の資源予約プロトコル,RSVP(ReSerVation Protocol)に変更を加えた.これによりRSVPのAPI(APplication Interface)を用いて上記ネットワーク機能を利用できるようになった.そして,これらの機能を用いて実際に映像・音声を送るシステムを構築した.本システムは遠隔会議システム,もしくは単にインターネット電話として利用でき,ネットスケープなどのWebブラウザ上から用意に起動することができる.特に映像に関しては,階層符号化によって,複数の受信者がそれぞれ異なるネットワーク帯域での環境下にいた場合,それぞれが利用可能な最大の帯域で映像を受け取ることができるシステムを開発した.これにより,例えば,無線による受信者は品質は悪いが許容範囲の映像を,LANでの受信者は最高品質の映像を同時に受け取ることができるようになった. 本研究により次世代の高速ネットワーク環境において,多品質で同時にマルチキャストを用いて多地点にデータを転送するシステムが基盤技術が確立された.
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