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1998 年度 実績報告書

光波コヒーレンス関数の合成技術によるリフレクトメトリ及び光トモグラフィの高性能化

研究課題

研究課題/領域番号 09305030
研究機関東京大学

研究代表者

保立 和夫  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60126159)

研究分担者 山下 真司  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40239968)
キーワードリフレクトメトリ / トモグラフィー / コヒーレンス関数 / ファトニックセンシング / 光加入者系 / スマート材料・構造
研究概要

筆者らは、半導体レーザの発振周波数が注入電流を変化させるだけで容易に変えられる特性に注目し、これを活用することによって光源の干渉性能、すなわち光波コヒーレンス関数が合成できることを見い出した。本研究は、本手法の特性向上並びにこれを応用した機能性フォトニックシステムの開拓を目的としている。
本年度は2年度目にあたる。まず、この光波コヒーレンス関数の合成手法を活用した光トモグラフィの基礎研究を進めた。散乱性物体の内部からの後方散乱光を、本手法により合成したデルタ関数型のコヒーレンス関数により光軸に沿って分布測定することによりトモグラムを得る手法である。性能向上のためには、測定部分以外からの散乱光を抑圧するために、高い空間分解能を実現する必要がある。そのために、周波数変調特性に特に優れたSSG-DBRレーザを導入し、これを用いたデルタ型コヒーレンス関数の合成法を確立した。空間分解能として550ミクロンを達成し、トモグラフィの基礎実験にも成功した。
また、光ファイバに加わる引っ張り歪みに関する情報を、ファイバ中で生じるブリルアン散乱のスペクトル変化を通して測定するシステムも提案している。従来のパルス光を用いる手法とは異なり、連続光の相関特性を合成する手法を提案して、空間分解能として10cmを達成することに成功した。これは、自己診断機能を有する材料・構造(スマートマテリアル・ストラクチャ)用のセンシング機構として有望である。
さらに、光ファイバに沿う荷重位置を瞬時に測定する方法も新たに提案・実証した。これは、偏波維持光ファイバに加わる荷重によって直行偏波モードが結合するという特性を用いたもので、その結合位置を3角形のコヒーレンス関数を合成することにより計る。防犯・防災用センサとして検討を進めている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Saida and K.Hotate: "High spatial resolution reflectometry by synthesis of optical doherence function for measuring reflectivity distribution at a long distance" IEEE Photonics Technology Letters. 10・4. 573-575 (1998)

  • [文献書誌] 保立和夫, 何祖源, 才田隆志: "光波コヒーレンス関数の合成とそのセンシング応用" 精密工学会誌. 64・9. 1279-1284 (1998)

  • [文献書誌] K.Hotate, T.Saida and Z.-Y.He: "Distribution sensing by synthesis of the optical coherence function <Invited>" Intl. Conf. On Applied Optical Metrology. 366-373 (1998)

  • [文献書誌] K.Hotate, Z.-Y.He and T.Saida: "Synthesis of optical coherence function and its application in photonics sensing <Invited>" SPIE Laser Interferometry IX : Techuniques and Analysis. 254-265 (1998)

  • [文献書誌] K.Hotate and T.Saida: "High resolution reflectometry for diagnosis of optical devices by synnthesis of optical coherence function <Invited>" Symposium on Optical Fiber Measurements. 91-96 (1998)

  • [文献書誌] Z.-Y.He and K.Hotate: "Measurement system for scattering medium by synthesis of coherence function with super-structure grating distributed Bragg reflector laser diode" Distributed and Multiplexed Fiber Optic Sensors VII, Boston. 248-255 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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