研究課題/領域番号 |
09305036
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
瀬尾 和大 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30089825)
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研究分担者 |
栗田 勝実 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (90282871)
山中 浩明 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00212291)
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キーワード | 関東平野 / 微動観測 / S波速度 / 地震観測 / 表面波 / やや長周期地震動 / 地盤増幅特性 / 有限差分法 |
研究概要 |
1923年関東地震による強震動評価のために基礎資料を得ることを目的として研究を行い、以下の成果を得た。 1)微動アレイ観測による地盤構造の推定 関東平野南西部の15地点で周期0.5秒から5秒のやや長周期微動のアレイ観測を実施した。得られた微動記録からレイリー波の位相速度を求め、遺伝的アルゴリズムによる逆解析を行い、S波速度3km/s程度を有する地震基盤までのS波速度分布を推定した。平野中央に近い地点での地下構造はそれほど大きな変化は認められず、類似したS波速度値が得られた。しかし、平野端部では地下構造の変化が著しく、S波速度構成も中央部とは異なっていることががわかった。 2)地震観測と地震記録の解析 関東平野西部の立川断層周辺において、断層を横切るようにして設けた直線状のアレイにより地震観測を実施した。基盤の段差構造の影響により、高々3km程度しか離れていない地点でも、やや長周期地震動の特性が大きく変化することを明らかにした。 また、1990年伊豆大島近海の地震の際に関東平野で観測されたやや長周期成分について、上下動と平行動の相関解析を行い、やや長周期レイリー波の伝播方向を推定した。平野規模の地下構造の3次元的影響によりレイリー波の伝播方向が曲がり、大円から大きくずれていることを明らかにした。 関東平野南西部で観測された周期1秒より短周期のS波スペクトルのインバージョンにより地盤増幅特性を分離し、それらが地震基盤までの1次元地盤モデルに対する理論増幅特性でほぼ説明できることを示した。 3)3次元波動伝播の数値計算プログラムの作成 3次元有限差分法による3次元波動伝播の数値計算プログラムを作成した。それを用いて、阪神・神戸地域で観測された人工地震波の3次元シミュレーションを行い、人工地震記録にみられる後続位相の伝播に地盤の3次元的構造が影響を及ぼしていることを明らかにした。
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