研究課題/領域番号 |
09305042
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
那須 三郎 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00030057)
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研究分担者 |
森本 正太郎 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (80252633)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | メスバウアー分光 / 位相変調 / 放射光 / 磁気光学効果 / 偏光ガンマ線 / プロブスカイト型鉄酸化物 / 高圧 / 超微細相互作用 |
研究概要 |
メスバウアー分光は原子核のガンマ線による無反跳共鳴吸収の観測を行うものであり、その測定から原子核のエネルギー準位を、例えば、最も典型的なメスバウアー共鳴核である^<57>Feの場合は10^<-9>eVのオーダーで極めて精密に超分解能で測定することができる。従って、10-7eVのオーダーである電子系と核との超微細相互作用の詳細を調べることができ、電子系の情報すなわち核をプローブとした物質の微視的な電子状態を調べることがこの方法を用いて行うことができる。特に、局所磁性の測定が超微細磁場から可能であり、高温酸化物超伝導体や準結晶、金属人工格子、ナノメートルスケールの金属微粒子などの新規な物質の物性、特にそれらの示す磁気的性質を明らかにすることができた。さらにメスバウアー分光は物質中での核準位を正確に測定するため、標準線源と標準吸収体の中間にガンマ線を透過させる透過体を配置させ、その屈折率を時間的に変化させ、ガンマ線の位相を時間的に変化させれば、その位相の時間変化は正確にガンマ線のエネルギー変調として観測することができる。この場合は正確なガンマ線の周波数測定のために縮重した核からの非偏光ガンマ線を線源とし吸収体としても縮重した核を用いるが、磁気双極子相互作用で縮重の解けた核から放射されるガンマ線はその磁場と伝播の方向に依存して偏光している。従って、これらの偏光ガンマ線源を用いれば逆に対象物質の磁気構造や伝播過程での偏光面の回転、すなわち、ファラデー回転などの測定を行うことができ、可視光の波長領域で数多く行なわれている光学測定を金属・合金薄膜について遂行することができる。これらのことから、本研究では位相変調メスバウアー分光や偏光ガンマ線源を用いた研究、さらに直線偏光である放射光を用いた核共鳴散乱などを行い、金属・合金中を伝播する電磁波の応答から金属物性を調べることが可能になった。
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