研究課題/領域番号 |
09305044
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河本 邦仁 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (30133094)
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研究分担者 |
鈴木 豊 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (60023214)
徐 元善 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (30242829)
桑原 勝美 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (40023262)
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キーワード | Langmuir-Blodgett film / Self-assembled monolayer / Vacuum evaporation / Hydrophilic / Hydrophobic / Nucleation / Induction Period / Patterring |
研究概要 |
生物の体内で無機結晶が生成するいわゆるバイオミネラリゼーションを模倣して、無機材料のバイオミメティック合成・形態制御を行い、環境・エネルギー科学的観点から重要な材料合成の低温化の問題に取り組んでいる。平成9年度の研究成果は次のとおりである。 ラングミュア単分子膜やLB膜などの分子集合体表面上で無機結晶が成長する際、分子表面の性質によって結晶成長が大きな影響を受け、ウェット及びドライプロセスの両方において無機-有機界面分子認識作用が成長方位や結晶形態を左右することを見出した。 特に、ドライプロセスでの分子認識現象を結晶化制御に適用したのは本研究が初めてである。具体的には、Bi,Zn,Sn等の金属を真空蒸着する際にLB膜を基板として用い、その表面を親水性にした場合と疎水性にした場合では、成長する金属結晶の形態が大きく異なることを発見した。すなわち、疎水表面上では超微粒子状の結晶が成長するのに対し、親水表面上では大きな配向結晶が成長した。更に、Snの蒸着において、親水表面上では蒸着開始と同時に核生成・成長が始まるのに対し、疎水表面では有限の誘導時間を経た後でないと核生成・成長が起こらないことを見出した。この発見は大変重要なもので、この現象を利用することによって2種類の異なる分子構造を持つ部位を2次元パタ-ニングしておくと、一方の分子構造との選択的相互作用(化学的)を利用した無機結晶の微小パタ-ニングが可能なことを示している。今年度は実現にいたらなかったが、新たな概念・手法に基づく2次元パタ-ニング法のアイデアを提案した。
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