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1998 年度 実績報告書

ナノ領域化学反応による新しい材料デバイス構築法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09305044
研究機関名古屋大学

研究代表者

河本 邦仁  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30133094)

研究分担者 徐 元善  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30242829)
鈴木 豊  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60023214)
桑原 勝美  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40023262)
キーワードSelf-assembled monolayer / Hydrophilic / Hydrophobic / Titanium Dioxide / Liquid Phase Deposition / Patterning / Dielectrics
研究概要

本年度は、自己組織膜(SAM)の表面をパターン化し、そこへ水溶液反応によって有用な誘電体である二酸化チタンを析出させることにより、二酸化チタンのマイクロパターン形成手法の開発を行った。まず、疎水性表面を持つSAMの表面構成分子の特定部位を光によって破壊し、その部位に水を反応させて、水酸基に変えることによりSAMのパターン化を行った。これを基板としてヘキサフルオロチタンイオンを含む水溶液中に入れ、さらにホウ酸を加えて40〜60℃に保持した。この間に、親水表面上では表面水酸基とチタン含有イオンとが化学的に結合し、さらに縮重合を繰り返してTi-O-Ti-Oのネットワークを形成してアナターゼとして結晶化した。疎水表面上では、不均一核生成によりできたアナターゼ粒子が析出し表面を覆うものの、SAMとの強い化学結合を形成することはない。したがって、6〜12hの反応後、溶液から基板を取り出した時点では、基板全体がアナターゼ薄膜に覆われているが、これを超音波照射することにより、疎水表面上のアナターゼ薄膜は剥がれ落ち、親水表面上の膜は残ってパターンが浮き上がる。粘着テープを用いて疎水表面上の膜だけを剥がすこともできる。こうして、親水表面上だけにアナターゼが配置したマイクロパターンを室温付近の低温で形成することが可能になった。この新規パターニング法は、SAM表面官能基と溶液反応系を適切に組み合わせることにより、他の酸化物のパターニングへの適用が可能である。また、原理的にはナノパターン化も可能であることから、将来のナノ・マイクロデバイスの低温構築法として期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] H.Lin,W.S.Seo,K.Koumoto et al.: "Crystal Growth of Lepidocrocite and Magnetite under Langmuir Monolayers" J.Cryst.Growth. 192. 250-256 (1998)

  • [文献書誌] W.S.Seo,K.Kuwabara,K.Koumoto et al.: "Vapour-Growth of Sn on stearic Acid Molecular Layers" Supramol.Sci.5・3-4. 423-426 (1998)

  • [文献書誌] K.Koumoto,W.S.Seo,S.Seo: "Molecular-Assembly Mediated Crystallization as a Novel Synthetic Route for Ceramic Thin Films" Proc.4th.Int.Workshop on Ceram.Interfaces. (印刷中). (1999)

  • [文献書誌] K.Koumoto,W.S.Seo,S.Seo: "Molecular-Assembly Mediated Crystallization as a Novel Synthetic Route for Ceramics" Proc.1st Chinese Int.Conf.Ceram.(印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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