微細複合アルミナイドの交番応力下の組織安定性と疲労変形機構

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 09305045
• 研究種目: 基盤研究(A)
• 研究機関: 大阪大学
• 研究代表者: 馬越 佑吉 大阪大学, 工学部, 教授 (00029216)
• 研究分担者: 中野 貴由 大阪大学, 工学部, 助手 (30243182)
• キーワード: 金属間化合物 / 疲労 / 破壊 / 転位 / 異常強化現象 / TiAl / 双晶 / 寿命

研究概要

Al-rich TiAl結晶中に存在するAl_5Ti_3、r-Al_2Tiおよびh-Al_2Ti微細分散相の組織形態とその安定性を調べた。これらの化合物相の安定性は合金のAl組成ならびに焼鈍温度に著しく依存した。Ti-58at%Al組成では800℃までの温度領域でAl_5Ti_3が約100nm径で存在し、これ以上の温度では不安定になる。しかし、この化合物相は900℃以上の高温においても数10nm径で微細に分散し、また母相と極めて良好な整合界面を形成した。一方、Al濃度の増加に伴いAl_2Ti相が微細に分散し、著しい硬化挙動を示した。TiAl結晶に現れる異常強化現象は、Al_5Ti_3中に形成される面欠陥エネルギーと密接に関係し、その逆位相境界エネルギーの異方性が転位の{111}から[001]面上への交差辷りを誘発し、起こることが明らかとなった。また、TiAlの疲労変形はこの化合物中に存在する6種のドメインおよびα_2の微細分散と密接な関係を示した。この交番応力下の変形において、そのドメインの方位に依存して高密度に転位の集積したベイン状組織を形成する場合と、双晶が優先的に発生する場合が観察された。この疲労強度は、γドメイン中に形成される双晶と関係し、これを抑制するための第3元素の添加と、このα_2相の微細分散が疲労特性改善にとって効果的であることが明らかとなった。

研究成果

• [文献書誌] H.Y.Yasuda, T.Nakano, Y.Umakoshi: "Effect of V and Nba daition on the fatigue belanion of TiAl Polysxntheticalty twinned crystal" ISIJ International. 37・[12]. (1997)
• [文献書誌] T.Nakane, H.Y.Yasuda, Y.Umakoshi: "Ananalous behaviouer of cyclia deformation on fatigcre properties of TiAl PST crxstals under conant applied stress" Acta Materislia. 45[11]. 4807-4821 (1997)
• [文献書誌] Y.Umakoshi, K.Koizumi, T.Nakano: "Fatigue bahanior and defsrmation substouctcere of TiAl single cnxgtals defarmed at high temperaturls" Thermec'97. 1433-1439 (1997)
• [文献書誌] T.Nakano, T.Seuno, K.Hayashi, Y.Umakoshi: "Effect of Al_5Ti_3-type orakring on plastic kehaneisr of Al-rich TiAl single cvxstals" Thermec'97. 1497-1503 (1997)