研究概要 |
異なる結晶を接合させた場合には,各々の結晶間の結合力だけではなく,結晶構造の相互関係,内部組織,接触前の表面構造などにより接合面を通過する原子拡散挙動や接合状態は支配される.低温における拡散接合対の新しい作製法,すなわち平行性に優れ,酸化や汚染のない面を作り,低温での接合と拡散を正確に観察・測定可能な信頼性のある接合方法を確立するため,まず,平行でかつ凹凸のない面の作製法を検討し,つぎにイオン照射による表面活性化とその場接合手法を導入し,まず汚染のない接合対の製作法の確立を試みた.超高真空中でのイオン照射機構がきわめて有効であることを確認し,加熱圧縮機構を試作改良した.また同時に,純NiとB2型金属間化合物NiAlの反応拡散における反応生成相の成長に付随する界面の移動挙動を調べ,純Niが単結晶の場合には単結晶反応相が生成するが,その成長速度は多結晶の場合とほとんど変わらないこと,異相界面の移動方向がNiAlの化学量論組成からのずれに依存することなどを明らかにした.また,粒界拡散挙動を評価のため,高温で安定な超微細粒結晶をEqual Channel Angular Pressing法により作製する条件を見いだした.
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