研究課題/領域番号 |
09305047
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
瀬尾 眞浩 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20002016)
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研究分担者 |
伏見 公志 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20271645)
安住 和久 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60175875)
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キーワード | メカノエレクトロケシストリ / ナノインデンテーション / 不働態皮膜 / 荷重-深さ曲線 / 機械的性質 / 鉄 / チタン / アノード酸化皮膜 |
研究概要 |
1.pH8.4のホウ酸塩水溶液中、1.0Vで不動態化した鉄単結晶(110)表面および(100)表面のナノインデンテーションをおこない、荷重-深さ曲線の測定から求めた表面の硬さの結晶面による違いを調べた。表面硬さの結晶面による違いは余り見られず、いずれの結晶面においても押し込み荷重が150μNから3000μNへ増加すると、表面硬さは3.2GPaから2.0GPaへと減少した。低荷重における表面硬さの増加は、不動態皮膜の寄与によるものと考えられる。 2.pH6.4のホウ酸塩水溶液中、カソード還元あるいは不動態化した鉄単結晶(110)表面をナノインデンテーションしてから、不動態化あるいはカソード還元した際の圧痕の形状変化をAFMにより観察した。圧痕はいずれもその深さが減少する傾向を示した。このことから、圧痕部における機械的歪みが不動態化過程およびカソード還元過程に影響をおよぼすことが示唆されるが、その詳細については現在検討中である。 3.ガラス基板上にマグネトロンスパッタリング法により作成したチタン薄膜を、4種類の水溶液中でアノード酸化した際、アノード酸化皮膜にかかる応力をレーザービームデフレクション法により測定するとともに表面の硬さを測定した。いずれの溶液においてもアノード酸化皮膜には圧縮応力がかかり、特に硫酸中でアノード酸化した場合、皮膜にかかる圧縮応力は最も大きかった。また、表面の硬さも硫酸中でアノード酸化した場合が最も大きかった。このことにより皮膜にかかる圧縮応力と表面硬さとの間に相関性のあることが明らかになった。
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