研究課題/領域番号 |
09305048
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡辺 龍三 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20005341)
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研究分担者 |
山田 葉子 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20271877)
李 敬鋒 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50241542)
川崎 亮 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50177664)
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キーワード | 傾斜機能材料 / 耐熱材料 / 遮熱コーティング / 溶射皮膜 / 熱衝撃試験 / 電子ビーム蒸着 / 破壊力学 / 材料設計 |
研究概要 |
平成9〜10年度の研究において、セラミックス系遮熱コーティングの熱衝撃破壊および熱疲労破壊についての実験的研究により、熱疲労破壊メカニズムを推定し、さらに得られた結果に基づいて健全な遮熱皮膜形成のための最適化プロセス条件を策定した。本年度は最適化設計したセラミックコーティング(PSZ/NiCrAlY系傾斜機能コーティング)について、模擬実環境試験(バーナー加熱衝撃試験)を実施し、破壊形態の詳細な観察および破壊力学的考察により、長寿命化をめざしたコーティング構造およびプロセスの更なる最適化を検討した。その結果は以下のようにまとめられる。(1)熱衝撃試験時に観測したAE信号の発生は、加熱時および冷却時の間で異なる挙動を示すが、それらの挙動はコーティング層内における亀裂の発生とその伝播に直接対応していることが確認された。(2)コーティング層の傾斜機能化により熱疲労寿命は著しく増大する。(3)低熱衝撃負荷条件において、傾斜組成制御層内に微小な横亀裂が発生することを確認し、この微小横亀裂が長寿命化に極めて有効であること、また、これらの横亀裂はボンドコート界面の波状形態に起因した界面と垂直な応力によって発達することを明らかにした。(4)PSZセラミック層とNoCrAlYボンドコート層との間にアルミナのような酸素拡散バリアを挿入するとボンドコート層の酸化が抑制され、ガスタービン実操業時の環境においても酸化による損傷を抑制し、ひいては遮熱コーティングの長寿命化につながる。以上の成果を本年8月米国コロラドで開催される第6回傾斜機能材料国際会議に発表する予定である。
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