研究課題/領域番号 |
09305054
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
八嶋 建明 東京工業大学, 理学部, 教授 (60016409)
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研究分担者 |
小松 隆之 東京工業大学, 理学部, 助手 (40186797)
小国 正晴 東京工業大学, 理学部, 教授 (50144423)
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キーワード | ゼオライト / 触媒 / オキシム化 / ベックマン転位 / 異性化 / シクロヘキサノンオキシム / チタノシリケート / モルデナイト |
研究概要 |
Atom-planting法を用いて、モルデナイトにチタンを導入した。高温焼成および硝酸処理によって脱アルミニウムしたモルデナイトを、TiCl_4蒸気と反応させることによりモルデナイト骨格中にチタンが組み込まれる。UV拡散反射スペクトルにおいて220nmに強い吸収が現れたことから、導入されたチタンが4配位状態であることがわかる。また、透過IRスペクトルにおいて963cm^<-1>に吸収が現れ、その吸光度とチタン含有量が比例することから、導入されたチタンがすべて骨格に組み込まれているものと考えられる。C^<18>O_2とモルデナイトの骨格酸素との交換反応の結果から、チタンはモルデナイトのアルミニウムが抜けることにより形成された格子欠陥サイトに組み込まれること、その際773K以上でAtom-plantingを行うと、チタンは4本のTi-O-Si結合を形成し、573K以下では1本がTi-OHとなることを見いだした。 調製したモルデナイト型チタノシリケートを触媒として、アンモニアと過酸化水素を用いたケトン類のアンモオキシム化を行った。各種ケトンおよびアルデヒドを反応物としたときのアンモオキシム化と、無触媒下でのヒドロキシルアミンによるオキシム化の比較から、チタン種はヒドロキシルアミン中間体生成にのみ関与し、その後のオキシム生成はチタノシリケート上に限らず液相全体で進行するという知見を得た。 シクロヘキサノンオキシムの気相ベックマン転位に対し、各種ゼオライトを触媒としてゼオライトの酸強度および構造の影響を検討した。弱い酸点をもつシリカライト、Ca交換A型ゼオライト、SAPO-5などが高い選択性を示した。Ca-Aはシクロヘキサノンオキシム分子よりも小さい細孔入り口を有する。したがって、ゼオライト結晶外表面がベックマン転位を高選択的に促進するための有効な反応場であると考えられる。
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