研究課題/領域番号 |
09305056
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柘植 新 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60023157)
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研究分担者 |
石田 康行 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70273266)
大谷 肇 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (50176921)
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キーワード | 熱分解ガスクロマトグラフィー / 化学反応場 / 機能性高分子材料 / ヘテロ原子 / 絹 / リグニン / 天然油 / ポリカーボネード |
研究概要 |
本年度は、熱分解ガスクロマトグラフィー(Py-GC)の試料の熱分解過程に、酸やアルカリなどの各種の化学試薬共存下での化学反応場を導入した手法を利用して、分光学的手法などの従来法では詳細な解析が極めて困難視されていた、主鎖中にヘテロ原子を含む下記の機能性高分子材料などの組成分析や微細構造解析を行った。 ・絹中の含硫黄アミノ酸残基の高感度定量法の開発と、その方法を応用した絹の光劣化過程の解析 ・木材中に含まれるリグニン成分の高精度定量法の開発と、その手法を応用したリグニン成分の樹幹内分布の解析 ・多不飽和脂肪酸成分を含む天然油中に含まれる脂肪酸残基の組成分析 ・環状ポリ-2-ビニルピリジンの構造キャラクタリゼーション ・錠剤中に含まれるベンゾジアゼピンの定量 以上の研究成果は、いずれも研究論文として国際学術誌に掲載されている。 さらに、溶融法により工業的に合成されたポリカーボネート(PC)の微細構造解析に反応熱分解法を適用した結果、得られたパイログラム上には、主鎖部や末端部由来のピークに加えて、分岐・架橋構造を反映するピークが観測され、PCの重合の際に、合成法によっては、重合槽内の局所的な高温部分で、分岐・架橋反応が重合反応と競争的にある程度進行していることが明らかとなった。
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