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1997 年度 実績報告書

非ケクレ型π共役高分子の合成と協同的な多スピン整列

研究課題

研究課題/領域番号 09305060
研究種目

基盤研究(A)

研究機関早稲田大学

研究代表者

西出 宏之  早稲田大学, 理工学部, 教授 (90120930)

研究分担者 高橋 正洋  早稲田大学, 理工学部, 助手 (20298178)
キーワード共役高分子 / 精密重合 / 縮重合 / ポリラジカル / 高スピン分子 / 磁性高分子
研究概要

発達したπ共役系を主鎖骨格とし、その側鎖に安定なラジカル基を共役して結合させた直鎖、星型、多分岐型のπ共役高分子ポリ(フェノキシル置換フェニレンビニレンおよびエチニレン)を、モノマー頭-尾結合と側鎖置換基位置を厳密(100%)非ケクレ型で制御して精密合成、これらポリラジカルで重合度および擬2次元構造に相関して協同的に働くスピン整列を実証することを目的として、第1年次は次の成果を得た。
(1)2-臭化-4-アセトキシフェニルスチレンをコアである三ヨウ化ベンゼンあるいはトリス(3,5-ニヨウ化フェニル)ベンゼン存在下でPdホスフィン触媒により縮重合し、全共役、星型ポリ(4-アセトキシフェニル-1,2-フェニレンビニレン)を得た。また、2,6-ジブロモ-4-アセトキシフェニルスチレンの重合から多分岐ポリ(4-アセトキシフェニル-1,2-(6)-フェニレンビニレン)を合成した。頭-尾結合、分岐などのポリマーの一次構造を確認した。
(2)吸収スペクトル、三次光非線形感受率などの測定から、共役系の特徴を描像した。前駆ポリマーをフェノラート塩に定量的に変換し、酸化してフェノキシラジカルを発生させ、クーロン測定などから90%近いラジカル発生を定量した。
(3)上記の新しい、星型、多分岐高分子ラジカルおよび直鎖型をSQUID低温(2K〜室温)磁気測定、スピン整列数(現時点の最高値 S=9/2)を得た。多スピン系モデルを適用して強磁性スピン交換相互作用定数(J)を例えば30cm^<-1>と算出した。現在、パルスESR分光法により各S成分の分率を直接決定する手法を検討している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H. Nishide, M. Takahashi et al.: "Optical nonlinearity of an open-shell and degenerate π-conjugated polymer : poly (4-oxyphenyl-1,2-phenylenevinylene) radical" Chem. Commun.1997. 1853-1854 (1997)

  • [文献書誌] H. Nishide et al.: "Average Decatet Radical Polymer : Stable Polyphenoxyl Based on a Star-Shaped π-conjugation" Angew. Chem. Int. Ed. Engl.37(印刷中). (1998)

  • [文献書誌] H. Nishide, M. Takahashi et al.: "Synthesis and Magnetic Property of Poly (1,2-phenylenevinylene) Bearing Bisaryloxalates to Photochemically Produce Phenoxy Radicals." Polym. J.30(印刷中). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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