研究課題/領域番号 |
09305063
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
上條 謙二郎 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90282003)
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研究分担者 |
石本 淳 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (10282005)
尾池 守 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (70292282)
辻本 良信 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (50112024)
中橋 和博 東北大学, 工学部, 教授 (00207854)
升谷 五郎 東北大学, 工学部, 教授 (20271869)
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キーワード | ロケットベース複合エンジン / 空気液化サイクルエンジン / スクラムジェット / エンジンシステム解析 / 超音速インテ-ク / 空気液化熱交換器 / 低温流体気液混相流 / スクラムジェット分離部 |
研究概要 |
本研究は、離陸時には酸化剤に空気を利用する空気液化サイクルエンジン(LACE:レース)、ラム圧縮が十分な高速域になるとスクラムジェット、さらに高速ではロケットへと作動サイクルを切り替えるロケットベース複合エンジンで生じる現象の解明と、エンジン構成に必要な基礎技術の確立を目的とする。今年度行った研究内容の概要を以下に示す。 1.エンジンシステム レースモード作動時におけるシステム性能を算定するためにエンジンシステム解析を行った。現状技術レベルを踏まえてレースを構成する各要素の効率を算定し、各要素間のエネルギー収支バランスに基づくステム性能を評価した。その結果、飛行マッハ数1〜5の速度域におけるシステム成立性を確認するとともに、純粋ロケットモードに比べ十分高い比推力が得られることが分かった。 2.レース作動時 空気取入口に関する基礎資料を得るために、超音速インテ-クモデルを設計・製作し、計算機によるデータ処理システムを構築した。また数値シュミレーションのために2次元数値計算コードを開発し、既存の超音速流れデータによりその信頼性を確認した。空気液化部に関しては、液体水素で流入空気を液化する高性能熱交換器供試体を設計・製作し、試験用設備及び計測系の整備を進めた。また空気液化部の流動状態を把握するために、低温流体の気液混相流数値シュミレーションを行い、その特異性を明らかにするとともに、低温流動試験装置の整備を進めた。 3.スクラムジェット作動時 スクラムジェット燃焼により生じる擬似衝撃波の上流伝播を防ぐ分離部のモデル実験を行い、流れ場の可視化観察及び壁面圧力分布を測定した。その結果、擬似衝撃波がステップを遡るために必要な背圧増加は、ステップと流路の高さの比に比例することが分かった。また、擬似衝撃波の上流伝播に伴い流路幅方向に著しい非対称性が発生し、大きな剥離領域が生じることが判明した。
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