研究概要 |
本研究は,マイクロマシン技術を駆使した地下マイクロセンサーの開発と,それを用いた地下計測法の研究により,地下マイクロセンシングの基礎を築くことを目的としている。本年度の研究成果は以下の通りである。 (a)弾性波センサーの開発:広帯域・高感度静電容量型加速度センサーおよび光干渉型振動センサーについて,平成10年度度に引き続き,(a)センサーの試作と方式上・製作上の問題点の抽出,(b)室内およびミニフィールドでの性能評価,(c)再製作,を行なった。静電容量型加速度センサーについては,低雑音電子回路部の検討および設計・製作も行った。本センサを金属製のマイクロゾンデにマウントし東北大学工学部内ミニフィールドで性能試験を実施し,信号の検出に成功した。また,本センサが設計値に近い特性を有することを明らかにした。光干渉型振動センサーについては多成分化のための方式の検討および試作を行い,各センサーを正4面体状に配置した4成分センサーを試作した。また,ハイドロフォンについても光干渉型マイクロハイドロフォンを試作し,本センサにより水中で弾性波信号を検出可能であることを実証した。ファイバーグレーティングを利用したセンサについては,方法の検討および試作を行った。また,ファイバグレーティングを用いて信号を多重送信するための具体的な方法の検討と実験を行なった。 (b)放射線センサーの開発:岩体内のき裂より放出されるラドンを検出するためのマイクロセンサについて,最適な検出方法を検討し,マイクロシンチレータと光ファイバよりなるシステムの設計・試作を開始した。 (c)マイクロゾンデの開発:光干渉型加速度センサを内蔵したマイクロゾンデについて,(a)ゾンデの試作と方式上・製作上の問題点の抽出,(b)室内性能試験,を行なった。
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