研究概要 |
*ビワ果実ではソルビトール脱水素酵素とソルビトールー6-リン酸脱水素酵素が,転流してきたソルビトールの代謝変換に関与しており,それらの抗体及びプローブを用いたウェスターン及びノーザンブロット解析によって、両酵素の果実の生長・成熟に伴う活性変動が遺伝子発現レベルで調節されていることを明らかにした。 *ソルビトール脱水素酵素とソルビトールー6-リン酸脱水素酵素の遺伝子レベルでの発現が、ソルビトール、フルクトースそしてスクロースによって促進されるが、グルコースでは促進されないことを示した。 *ニホンナシ果実よりスクロース合成酵素のcDNA全長クローンを単離し、アミノ酸配列を決定した。さらにアイソフォームについても遺伝子の塩基配列を解析している。 *セイヨウナシ果実より高度に純化したトノプラスト小胞を調製し、膜タンパク質を可溶化し二次元電気泳動によって分離したところ、数種の液胞膜に由来したタンパク質を検知することが出来た。 *液胞膜プロトンATPaseを精製し、5種類のサブユニット抗体を作製し、セイヨウナシ果実の生長・成熟に伴うそれらのサブユニットのアセンブリーについて検討したところ、特にサブユニット間での差は認められなかった。また、ATPaseの二次元電気泳動による分離パターンから数種のサブユニットにアイソフォームの存在が認められた。 *セイヨウナシ果実の生長・成熟に伴う液胞膜のプロトンピロホスファターゼとプロトンATPaseの活性変動を、タンパク質生成レベル及びmRNA発現レベルで検討したところ、両ポンプ活性の発現調節段階に差異があることを明らかにした。
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