研究課題/領域番号 |
09306006
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大山 莞爾 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40135546)
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研究分担者 |
大和 勝幸 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (50293915)
福澤 秀哉 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (30183924)
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キーワード | ゼニゴケ / 性染色体 / PACライブラリ / EST / 性染色体遺伝子 / RDA / 形質転換 / FISH |
研究概要 |
ゼニゴケ雌および雄のPACライブラリを作製した。ディファレンシャルスクリーニングにより、PACライブラリから雄特異的クローンpMM4G7を単離した。FISHによりそのDNAはY染色体由来であることを確認した。塩基配列を決定し、pMM4G7がY染色体特異的反復配列およびリングフィンガーモチーフを有するタンパク質をコードする遺伝子を含んでいることを明らかにした。pMM4G7およびその他の雄特異的PACクローンを起点に全長約1.6Mbpとなる5つのコンティグを作製した。pMM4G7と同じコンティグに含まれるクローンpMM2D3の塩基配列を決定し、既知遺伝子との相同性をもとに6種類の遺伝子を見いだした。これらの遺伝子が実際に発現していることをRT-PCRで確認した。これらの遺伝子のうち4個は雄ゲノムにのみ存在することをPCRで示した。Representational Difference Analysis(RDA)法を用いてY染色体より5個、X染色体より2個の新規マーカー配列を単離した。これらの性染色体マーカーを用いて、PACクローンの単離・整列化を行い、Y染色体については全長約3Mb、X染色体については全長約150kbのコンティグを作製した。 雌雄生殖器由来のcDNAライブラリを構築し、その中からそれぞれ無作為に約1000個のクローンを抽出し、その末端の塩基配列を決定してESTとした。このESTをデータベース解析することにより、生殖器官における遺伝子発現パターンを明らかにするとともに、性決定に関与する可能性のある新奇な遺伝子を単離した。さらに、雌雄生殖器官由来ESTの比較解析により、遺伝子発現パターンの性差についても明らかにした。 性染色体にコードされる新奇な遺伝子の機能を解析するために、パーティクルガンを用いたゼニゴケの形質転換系を開発した。
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