研究概要 |
(1) オオモミジのフェノロジーの変化につれて昆虫の食物条件がどのように変化するかを調査するため,採取した試料についてチッソと炭素の比を測定した (2) カエデの芽の伸長がどのような条件の影響下に進むかを明らかにするため,冬の低温,冬と春の高温,降水量,花序数,アブラムシ寄生数,前年子学数との相関をみた。冬の低温が最も重要であるが,春の高温,降水量,アブラムシ寄生数も重要な役割を果していることが明らかになった。 (3) カエデの芽の伸長とアブラムシのふ化は共に高温の影響を受けて進むが,最も感受性の高い時期に少しの違いがあり,このことが両者の発育の時間的なずれの重要な要因であることが明らかになった。 (4) アブラムシの増殖にはカシラとフェノロジーの一致が重要であり,そのことが大発生の主要なメカニズムであることが17年間のデータの解析から明らかになった。
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