研究課題/領域番号 |
09306009
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
飯田 繁 九州大学, 農学部, 助教授 (30284558)
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研究分担者 |
寺岡 行雄 鹿児島大学, 農学部, 講師 (40264105)
伊藤 肇躬 九州大学, 農学部, 教授 (50038246)
吉田 茂次郎 九州大学, 農学部, 助教授 (80128462)
今田 盛生 九州大学, 農学部, 教授 (60038338)
境 正紘 九州大学, 農学部, 教授 (70038248)
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キーワード | 大型野生動物 / 森林被害 / 密度管理 / ハンティング制度 / 林産物の多様化 / 農山村開発 |
研究概要 |
(1)動物センサス調査:シカの糞調査を実施した。地形(傾斜)・森林植生によって糞の量に著しい差があることが明かとなり、傾斜と植生がシカ密度を推計する際の基礎的因子であることを確認した。 (2)森林被害・餌調査:冬季の餌となるスズタケが大規模に消滅し、スギ、ヒノキ、ケヤキなどの植林木も大きな被害を受けているが、9年度調査地では天然生マツ(10年以下の若いマツ)の被害が広がっていることが明らかになった。 (3)食肉加工技術改善:シカは体重の30%弱の肉が刺身として利用されているものの残りは廃棄されている。そこで、肉利用の多様化と利用率の向上を目的としてソ-セージやジャーキ-、スペアリブを試作した。製造方法の改善が必要である。 (4)ハンター調査:ハンターの減少と高齢化が進んでいる。年齢別、職業別、地域別の分析を行った。ハンターが農山村地域から都市居住者へ移行して行くのは米国も同様であるが、ハンティングの経験や教育方法に違いがあることが明らかになった。健全なスポーツハンティングを推進することと、動物の密度管理を進めることを両立するためにこの分野の研究を深める必要がある。 (5)市場調査:シカ・イノシシ肉の市場調査を実施した。豚肉や牛肉のように全国的な市場を形成しているわけではない。シカやイノシシのとれる都市(狩猟地域都市)において1、2の小売業が存在する。また、山村において一部の民宿でシカやイノシシ肉を食卓にのせる例がある。前者の仕入れ先は輸入肉(ニュージーランド産?)とハンターであり、後者は地元ハンターである。販売を目的とするハンターが狩猟地域山村に存在する。
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