研究課題/領域番号 |
09306009
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
飯田 繁 九州大学, 農学部, 教授 (30284558)
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研究分担者 |
伊藤 筆躬 九州大学, 農学部, 教授 (50038246)
寺岡 行雄 鹿児島大学, 農学部, 講師 (40264105)
境 正紘 九州大学, 農学部, 教授 (70038248)
今田 盛生 九州大学, 農学部, 教授 (60038338)
吉田 茂二郎 九州大学, 農学部, 助教授 (80128462)
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キーワード | 野生動物の肉市場 / 食文化 / 猟区 / ハンター組織 / 捕獲報告 / 猟猟制度 |
研究概要 |
1.ヨーロッパにおける野生動物の肉市場:中部ヨーロッパは野生動物の肉は日常的な食べ物であるとともに、健康食品のような地位が与えられている。田舎のレストランでは、メニューの中に沢山のシカやイノシシ料理が載せてある。その背景として、狩猟がビジネスのような形で存在していること、牧場が広まっていることの2点を指摘できる。また、ハンターや牧場主は、収入の拡大を求め、肉に一次加工をする例が多くなっている。 2.狩猟精度:野生のシカ・イノシシ肉を安定供給するためには、狩猟を通じた野生動物の頭数管理が不可欠である。米国では州の野生動物局が猟区ごとの捕獲頭数や動物の大きさを決めて狩猟を行わせ、捕獲の結果を厳格に把握し、頭数を増やすように努力している。オーストリアでは猟区の権利が売買され、権利を取得したハンターが野生動物の管理者である。日本のような野生動物を「駆除」するという思想はない。 3.日本のシカ・イノシシ肉市場:日本でシカは約10万頭、イノシシは約8万頭捕獲されているが、一般のレストランに出回ることはない。長崎県対馬では、昨年1千頭以上のシカが捕獲(駆除)されたが、地元の魚の味(味の文化)には勝てず、そのほとんどが埋められている。また利用しても、ヒレ肉で体重の20%以下しか利用されていない。 4.料理の方法:日本におけるシカ・イノシシは、捕獲されるとその日の内に解体され、肉のかたまりにされるが、ヨーロッパでは内臓を取り除き、熟成するまで冷凍庫で保存している。この最初の取り扱いがその後の料理方法に大きく影響している。 こうした、欧米の文化やシステムを参考に、日本のシステムを作り上げる必要がある。
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